ヴェネツィア観光の日 (10 月 25 日),ヴィヴァルディのコンサート・チケットを 25 ユーロで買った. 演奏やコンサート会場にはかならずしも満足できなかったが,ヴェネツィアでヴィヴァルディをきくことに価値があったとおもう.
夕食後は会場ちかくの広場のモニュメントのそばでやすんでいた. 開場の 8 時半がちかづくと,会場入口にひとがたまってきた. 8 時半になって会場がひらいたので,列にならんだ. イスは腰掛けも背もたれも布 1 枚の貧粗なものだ. こんなホールはみたことがない. しかも,となりのひとが背もたれによりかかったり,はなれたりするごとに,おされたり,ひっぱられたりする.
四季は 2 曲ずつ,2 人のヴァイオリニストが中心でひいていた. 1 日おきに曲目を交換しているが,これが 4 回めであるらしい. それにしては,あまりすばらしい演奏だとはいえない. ヴァイオリンが指揮もかねているということだが,十分にまとめきれていない. ひとによってテンポ感もちがうようだ. ピッチもぴったりあってはいない.
後半 (秋,冬) のほうがよかった. 2 人めのほうがうまくまとめられたということだろう.
しかし,ヴィヴァルディよりも最後のビゼー (カルメン…) のほうがよかった. ヴィルティオーゾがすばらしい. さかんな拍手をうけていた.
会場もイスも,そしてヴィヴァルディの演奏も期待したものではなかったが,そもそも最高の演奏をもとめてチケットを買ったわけではない. ヴェネツィアで,ここうまれの作曲家であるヴィヴァルディの曲の演奏をきくことに価値をみいだしたのだ. 期待したほどでなくても,ここでこういうもよおしがこのようにおこなわれていることを知ることに価値がある, そういう意味では満足したということができるだろう.
演奏家の写真もとろうとおもっていたが,カメラの電池がきれて,まったくつかなくなってしまったため,とれなかった.
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