アメリカで Kindle book が出版されるようになってから,ずいぶん時間がたつ. ようやく日本でも Kindle 本がよめるようになってきたが,Kindle 本をつくろうとしてみると,いろいろ問題点がみえてくる. まだまだ完成度はひくくて,おもうようにレイアウトできない.
電子書籍のよいところは表示サイズやフォント・サイズを自由にえらべることだ. その反面,レイアウトは自由にならない. Web ページでも本来は表示やフォントのサイズが自由なはずだが,表示幅を制約したり,フォント・サイズを固定したりして,レイアウトを制御しようとしている. 電子書籍もおなじ方向にいくかもしれないが,いまのところはタブレットのサイズもさまざまなので,固定するのは困難だ.
レイアウトを固定することができないと,とくに図や写真を表示したときに,本文をそれと関連づけるのがむずかしくなる. 図や写真の説明がつぎのページになってしまったりする.
写真に関してはいろいろ問題がある. 写真は縦長のもの,横長のものがあるが,おなじスケールで表示したい. ところが,画面サイズによってスケールがきまってしまう. たてにながい画面では横長の写真はちいさめになり,よこにながい画面では縦長の写真がちいさめになる. スケールを統一するには,縦長の写真には左右に余白をつけ,横長の写真には上下に余白をつけて,正方形にする必要がある. めんどうなことだ.
写真に関するもうひとつの問題は,よけいな余白がつくことだ. 画面いっぱいに表示したいのに,余白がついて,写真がちいさくなってしまう.
ただしいレイアウトのためにはページおくりも重要だが,これがまた,書いてあるとおりにははたらかない. スタイルとして,EPUB 標準どおりの ”page-break-before:always” を指定すれば改行されるはずなのだが,されない. しかたがないので Kindle 専用の <mbp:pagebreak /> というタグをいれることで改ページする.