Kindle 本をプレビューするための方法として,Kindle Previewer,Kindle 本をつくった Windows や Macintosh 上の Kindle,アマゾンにアップロードしたあとにつかえる iPad などの Kindle などがあるが,これらの表示はおおきくことなる. 最後の方法がもっとも信頼できるとかんがえられる.
Macintosh や Windows で Kindle 本をつくるとき,KindleGen というプログラムをつかう. KindleGen はコマンドラインでもつかうことができるが,よりかんたんな方法は Kindle Previewer で OPF ファイルを指定する方法だ. Previewer は KindleGen をよびだして mobi ファイルを生成する.
Previewer は mobi ファイルが生成されたあと,それを表示する. しかし,Previewer の表示は本来の Kindle による表示からはあまりにとおい. たぶんそれよりましな方法は mobi ファイルを生成するのにつかった Windows や Macintosh に Kindle ソフトをのせて,それをつかって mobi ファイルを表示してみることだ. Kindle ソフトがインストールしてあれば,mobi ファイルをクリックするだけで Kindle がひらくはずだ.
しかし,この Kindle ソフトによる表示も Kindle や iPad などのタブレットによる表示とはかなりことなっている. だから,プレビューにつかうのに十分ではない.
これら 3 つの表示方法には,具体的につぎのようなちがいがある. まず気づくのはフォントのちがいだ. Previewer の表示を最初にみておどろいたのは,奇妙なフォントで表示されたことだ. その後スタイルシートを指定するとフォントをそろえることができたが,既定値はちがっている. アマゾンによる Kindle Publishing Guide ではスタイルを既定のままにすることが推奨されているが,それではおなじ Kindle (ソフト) でも Android 版,iOS 版,Windows 版,Macintosh 版のうちのいずれであるかによって表示がちがってしまう可能性があるのではないだろうか.
つぎは句読点のスペーシングの差だ. Macintosh の Kindle では全角のカンマ (",") やピリオド (" .") の直後に過剰なスペースが挿入されやすい. その結果,文字のレイアウトは醜悪になる. カンマやピリオドをつかうなら半角のほうがよいようだ. ところが,iOS 版になると事情はまったくことなる. ここでは全角のほうがうまくいく. タブレットでうまく表示できるようにするのが目標だから,(Android 版についてはまだわからないが) 全角をつかうことにした.
もうひとつ気づくのはインデントのちがいだ. Macintosh 上の Previewer や Kindle ソフトでは段落のはじめでインデントしない. ところが,アマゾンにアップロードした本を iOS 版の Kindle ソフトで表示すると全角 3 文字文くらいインデントする. しかも,段落のはじめに写真があると,そのぶんだけ写真がちぢんでしまう.
バグのでかたもそれぞれでちがっている. 目次の項目リストを ol タグをつかって表現しようとしたら,すくなくとも iOS 版では最初の番号つまり 1. が太字になった. そんな指定はしていないのでこれはバグだとかんがえられるが,iOS 上でもきれいに表示されるようにしたければこのバグをさける必要がある. 結局,ol をつかうのをあきらめて,ul にした. しかし,他の版にはないバグだから,iPad にのせてみないかぎりはわからない.
いずれにしても,あまりに完成度がひくくて,おそまつだ.
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