画像がちいさすぎて鑑賞できない ― 樫本 まゆ 著 「しなやかな裸体 (世界ヌード絵画選書)」
画集であるなら,絵画を Kindle のほぼ全面に表示して見たい. ところが,この本の画像はあまりにちいさい. 画面の 1/4 をしめる程度だ. Kindle の画面がそもそもちいさいうえに,これでは細部はまったくわからない.
評価: ★☆☆☆☆
関連リンク: しなやかな裸体@Amazon.co.jp.
画集であるなら,絵画を Kindle のほぼ全面に表示して見たい. ところが,この本の画像はあまりにちいさい. 画面の 1/4 をしめる程度だ. Kindle の画面がそもそもちいさいうえに,これでは細部はまったくわからない.
評価: ★☆☆☆☆
関連リンク: しなやかな裸体@Amazon.co.jp.
画集であるなら,絵画を Kindle のほぼ全面に表示して見たい. ところが,この本の画像はあまりにちいさい. 画面の 1/4 をしめる程度だ. Kindle の画面がそもそもちいさいうえに,これでは細部はまったくわからない.
評価: ★☆☆☆☆
関連リンク: 透きとおる女体@Amazon.co.jp.
ページ数はケータイ文体で 3 ページほどであり,内容はゼロです. それで 99 円というのは詐欺にちかい. ★を 0 にしたいところです. だまされないようにしましょう.
評価: ★☆☆☆☆
関連リンク: ごちゃごちゃ@Amazon.co.jp.
Kindle 本には 1 冊 50 MB 以下という制限がある. それでいて,アマゾンは写真などの画像にはたかい品質要求している. しかし,高解像度の写真を多用すると当然,ファイル容量は 増加して,すぐに 50 MB に達する. そういうファイルをアマゾンで出版しようとするとアマゾン側で容量を削減してくれる. それほど品質をおとさずに容量削減をしてくれているようなのだが,どのくらいへるのか,あらかじめわからない.
この本はケータイ文体つまり 1 文ずつブツブツと改行する,本には似つかわしくない文体で書かれている. 著者は情報商材をてがけてきたということだが,この文章も,読むに値する部分はあるものの,アマゾンにおけるこの本の内容紹介と同様に,情報商材の Web サイトによくある内容のうすいダラダラとした文章だ. 読者にもそういう安易な Kindle 本を出版することをすすめている. しかし,安易な Kindle 本出版は Kindle というメディアをだめにすることになるだろう. こんな本にだまされて,くだらない本を書かないようにしてほしい.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 素人がスピード出版@Amazon.co.jp.
書くチャンスもあったのに紙の本はいまだに書いたことがないのだが,Kindle のための本が日本で出版できるようになって,さっそく昨年 7 月にトルコの世界遺産カッパドキアでとった写真を Kindle 本にしてみた: 「カッパドキアの知られざる景色 (上巻)」,「カッパドキアの知られざる景色 (下巻)」
解像度のたかい写真はファイル・サイズがおおきい. カッパドキアの写真集に 140 枚,アマゾンが要求する解像度でいれたら,mobi ファイル (Epub フォーマットのファイル) が 100 MB ちかくになった. アマゾンのサイズ制限は 50 MB ときいていたので上下 2 分冊にしたのだが,アマゾンにアップロードしたら 9 MB と 10 MB になっていた. むだな分割をしたのだろうか?
Kindle 本は日本語であってもアメリカで出版することになる. ほうっておくと米国の税金が 30% 源泉徴収される. KDP に登録するときは,いろいろわけのわからない項目を書かされることになる. Amazon.co.jp だけでなく Amazon.com にも同時に登録してみて,それらの項目の意味がやっとわかった.
3D プリンタについての本格的な紹介は紙,Kindle あわせても,ほかになく,この本だけだろう. この本はおもにビジネス用のプリンタやツールを紹介していて,最近さまざまある個人向けのキットなどについての記述はわずかだが,個人でやるにしてもこの本に書いてあることは前提知識として,やくにたつだろう.
なお,この本にはない個人使用のための 3D 印刷については Kindle 本の 「汗と涙の激安 3D プリンタ Printrbot くみたて・調整」 がある.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 3Dプリンター&周辺ツール活用ガイド@Amazon.co.jp.
著者は 「私はこうしてアマゾンから電子出版しました!」という Kindle 本を書いているが,このあたらしい本はその改訂版だろう. 内容はふえているが,重複が多い. まえの本と同様に Google ドライブで書いてそのままアップロードすることをすすめている.
しかし,この本はまえの本とちがってとても字がちいさい. それから,メニューから目次がアクセスできず,表紙から目次までがはなれているので不便だ. ということは,たぶんまだ著者の Kindle 本のつくりかたは確立されていないのだろう. それでも,99 円だからよいだろう.
KDP からダウンロードした本のプレビューには Calibre というソフトウェアをつかうことをすすめているが,Windows/Mac 版の Kindle (プレビュアではない) ではまずい理由はないようにおもえるから,そのほうがよいのではないだろうか.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: Kindle電子出版マニュアル@Amazon.co.jp.
いまのところ日本製ないし日本でデザインされた 3D プリンタは非常にすくない. 日本から買いやすいのはアメリカ製のものだが,そのとき問題になることのひとつは,アメリカ製のものはアメリカで普通にでまわっているインチネジ (ユニファイネジ) をつかっているということだ. 日本でその交換部品を入手しようとすると困難かつ高価だ.
自分が出版した Kindle 本のサンプルをみてみた. アマゾンのサイトで 「今すぐ無料サンプルを送信」 というボタンをおすと,Kindle に送信される. サンプルは最初の 10% をきりとってつくられることになっているのだが,表紙に写真を 6 枚もいれたところ,ほとんど目次まででおわってしまった. これではサンプルとしてやくにたたない.
アマゾンのガイドラインによれば,Kindle 本の本文のレイアウトは指定せずに既定値にしたがうのがよいという. しかし,それではとくに日本語は端末の種類ごとに行間も変化し,とてもせまくなったり,ひろくなったりする. ハードウェアの Kindle では行間を調整することができるが,iPad など,端末によっては行間を調整することができない. これはがまんがならない. だから,日本語の本の行間は固定にするのがよいのではないかとかんがえている.
年末年始のやすみにはいったにもかかわらず,3D 印刷にはあまり時間がさけなかった. まだいろいろ問題があったので,すべてが解決されてはいない. 解決されていない問題のひとつは Slic3r でギアやちいさなナットのかたちがうまくつくれないことだ. しかし,徐々に問題点があきらかになり,解決されたものもある.
年末年始のやすみにはいったにもかかわらず,Printrbot+ による 3D 印刷にはあまり時間がさけなかった. まだいろいろ問題があったので,すべてが解決されてはいない. Extruder でフィラメントがおくられなくなる問題点に関しては,原因が複合的であり,徐々に原因またはうたがわしい点をとりのぞいてきたが,まだ完全な解決までの道はとおい.
Printrbot の Q & A ("Answers") の記事 「Hot end not extruding even when temp reads correctly」 に,Printrbot が出力する計測温度はひどくはずれていることがあると書いてある. そこで,てもとの Printrbot Plus に赤外線温度計をあてて計測してみた. プリントベッドの温度をはかってみると,たしかに,かなりはずれている. その記事にはサーミスタにポテンショメータをつけるとよいとかいてあったが,この Printrbot でもそれが必要なようだ. ホットエンドの温度の測定結果は別項に書くことにする.
Printrbot の Q & A ("Answers") の記事 「Hot end not extruding even when temp reads correctly」 に,Printrbot が出力する計測温度はひどくはずれていることがあると書いてある. そこで,てもとの Printrbot Plus に赤外線温度計をあてて計測してみた. 別項に書いたようにプリントベッドの温度をはかってみると,指示値より 10 度以上たかいことがわかったが,extrusion がうまくいかないホットエンドの温度は指示値より 50 度くらいひくいらしいことがわかった.
Printrbot+ の extruder がうまくうごかないことはこのブログで何回も書いてきた. いままでそのおもな原因がわからなかったのだが,どうやら温度センサーの誤差が問題らしいことがわかった. おなじ問題になやんでいるひとがたくさんいて,Printrbot のサイトの Q & A にはいくつもの投稿がある. しかし,おもな原因がわかったのは昨年 12 月の投稿だ.
この本に書かれているのは,芝生を野菜園にかえたり,エスプレッソ・メーカーを改良したり,鳥小屋をつくったりという,その気になればだれでもできそうなことだ. しかし,その過程でのいろいろな失敗と,それにもかかわらずねばりづよく完成をめざすところがえがかれている. そういう比較的たわいのない内容であるわりには高価な本ではあるが,DIY への勇気をあたえてくれるだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: Made by Hand@Amazon.co.jp.
常識的な思考で満足していると思考停止におちいってしまう. この本は,複眼的にさまざまな思考をすることによってそこからのがれる方法をしめしている. 読書や作文など,具体的な場面,具体的な例にそって説明しているから,わかりやすい.
しかし,読者は,著者のかんがえに満足して思考停止しないようにする必要があるだろう. 著者のかんがえはひとつのかんがえかたであって,読者はそれをヒントにして自分のかんがえを発展させてこそ,この本の問いが生きることになるだろう.
評価: ★★★★☆
著者は 「昔から人に何か強制されるのがキライでした」 と書いているが,それは毎朝きめられた時刻に会社に行かなければならず,社会人になったらスーツにネクタイを着用しなければならず,満員電車に乗らなければならないというように強制されていると感じることのうらがえしなのだろう. この本のなかにもあるように,毎日の生活が自分の選択の結果だとおもえれば,強制されている,イヤだと感じなくてすむだろう. 著者とおなじような感じをもっているひとにはやくだつ本なのかもしれないが,ひとりずもうをしている感じは否定できない. おおげさなタイトルにだまされた.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 7つの制約@Amazon.co.jp.
ものやサービスを売るとき,売りさきとしては富裕層,貧困層,企業など,いろいろあるはずだが,この本はその副題にあるように 「お金持ちマーケティング」 の本だ. 日本企業がめざすべきは貧困層ではなくて富裕層だと書いているが,だれもが富裕層をめざすのではなく貧困層をめざすのもひとつの選択だろう. 富裕層に対するマーケティングにもいろいろあるだろう. そういうなかで,この本が提案していることの範囲はせまい. この提案が有用な企業もあるだろうが,適用範囲はかぎられているだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 市場づくり@Amazon.co.jp.
ヨーロッパもふくむ紋章の歴史からはじまり,さまざまな日本の紋章が紹介されている. 文章もふくめて,すべてが画像としてとりいれられているから,検索はできない. それだけでなく,目次から本文にとぶこともできない. それから,あらかじめ余白がとってあるので,Kindle の設定で余白をちいさくしても,余白がかなりおおきくなってしまう. だから,文字もちいさくて読みにくい. 画像だから文字のおおきさはかえられない. Kindle でなく iPad なら適切なおおきさにできるのではないかとおもったのだが,iPad にはダウンロードできなかった. だから,内容はよくても★の数はへらさざるをえない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 紋@Amazon.co.jp.
写真を厳選して本にするというのはわるくないかんがえだとおもう. しかし,この本はファイル・サイズからもわかるように枚数がすくない (7 枚). なにがしかの気分にひたるまえに,おわってしまう. 「夜」 というひとつのテーマにしぼらずに,いくつかのテーマをあわせて編集したほうがよかったのではないだろうか.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 旅の自己満足写真集@Amazon.co.jp.
「内容紹介」 にちょっとひかれて買ってみたが,失敗だった. 内容はわるくないのだろうが,よみにくい本だ. 英単語がたくさんはさまっているのに縦書きになっていて,しかも,本をめくる方向が逆だ. (縦書きなら左側をさわったらページがすすむはずなのに,もどる.) 図はたいてい横長なので,図の下がひろく,あいてしまう. 横書きならここに説明がいれられるはずなのだが… というわけで,本気で読む気になれないままレピューを書いた.
評価: ★☆☆☆☆
関連リンク: 「超小型」出版@Amazon.co.jp.
表現には会話表現もあり文章表現もあるが,この本は話のしかたから,文章やメールのかきかた,ボディーランゲージまで,はばひろくあつかっている. だから,あまり系統的な内容ではなくて,エピソード的だ. 雑然としていて,あまり印象にのこらない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: なぜ伝わらないのか@Amazon.co.jp.
Kindle Fire HD と Kindle PaperWhite の両方を買った. 両方つかってみると,かなり差があること,Fire のほうがよい点,PaperWhite のほうがよい点など,いろいろみえてくる.
著者はハドソン研究所に籍をおき,日本にいてはわからないアメリカの情報をつたえてくれる. 日本の民主党政権や中国に対するアメリカ政府などの印象や対応などが,なまなましく書かれている. だが,著者自身ないし著者のまわりには共和党支持者が多いのだろう. オバマや他の民主党の大統領をクソミソに書いている. 大統領選のまえに書いているから,オバマは再選されないと書いているが,そうはならなかった. 中国の軍事力もひくく評価しているが,はたしてどうだろうか.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: いまアメリカで@Amazon.co.jp.
ファッションやアートなどを仕事とし,海外で苦労した 4 人を紹介している. テレビなどでも同様の企画があるが,それとくらべて文章で紹介する利点はなんなのか,いまひとつよくわからない. 巻頭の写真はかなりの情報をあたえてくれるが,それならばビデオのほうがさらに情報があるようにおもう. なにか,もうすこし,くふうがほしい.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 日本をはみ出る@Amazon.co.jp.
電子出版だと自分で編集もレイアウトもやれば,アマゾンなら本が 1 冊売れるごとにその値段の 70% をうけとることができる.紙の本なら 10% しかうけとれないのにくらべると,もうかるようにみえる. しかし,Kindle 本をつくってみて,実際はいろいろ問題点があることがわかった.
「学問をきわめる」 という感じの従来のこの種の本とくらべると,より現代 (すでに現在ではないが) の大学の状況に即していて,斬新だ. しかし,この本を読んでも 「何を学ぶ」 べきかはみえてこないようにおもえる. 饒舌だが内容はうすい.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 大学で何を学ぶか@Amazon.co.jp.
1960 年代に出版された,研究をする場所としての大学でまなぶべきことに関する本だ. 現在でも研究中心の大学をめざすひととくに文科系のひとには刺激的な内容だとおもえる. 生い立ちなど,著者の経験にもとづいて書かれているから,現在の環境とはまったくちがう. しかし,学問・研究の普遍的な部分をとらえているといえるだろう. しかし,研究者をめざすのではない多数の大学生にとっては,めざすものもちがうし時代もちがうから,えるものはすくないかもしれない.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 大学でいかに学ぶか@Amazon.co.jp.
講義・教師や読書だけでなく,大学生活全般についての (全般からまなぶ) 本だ. この本に書いてあるように,まなべるもの,まなべることは何からでもまなぶのがよいだろう. しかし,もうすこしコアの部分があるのではないかとおもえる.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 大学で何を学ぶか@Amazon.co.jp.
シンガポールを歩きまわって,かわった建物の夜景をみながらのクルーズ,マリーナサウス公園,クリスマスまえのオーチャード・ロードの夜景などの写真を上下 2 巻の Kindle 本として出版した: 「発展するシンガポール (上巻)」,「発展するシンガポール (下巻)」
Kindle 本のつくりかたの本は雨後のキノコのように出版されている. そのなかでこの本は,他の本にない BCCKS という編集ツールをつかっているのが特徴だ. だが,この本だけでは BCCKS というツールがよいのかどうなのか,よくわからない. つまり,十分な説明がなされているとはいえないし,したがってマニュアルにはならない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: Kindle本の作り方@Amazon.co.jp.
Macintosh 上で Kindle 本をつくっているから,できた mobi 形式 (EPub 形式) の本は,当然,Macintosh でひらける. ところが,これをアマゾンにアップロードして買ってから Macintosh や Windows 上の Kindle でひらこうとすると,「このデバイスと互換性がない」 といわれてしまう. 同様に,他人がつくった Kindle 本もひらけない. 英語の本はダウンロードできるし,ひらけるのだから,日本語の本のアマゾンでの変換に問題があるのはあきらかだ.
本は縦長のものという意識がある. だから Kindle 本に関しても,横書きであれ縦書きであれ,端末で画面を縦長にして読もうとしていた. 横書きのときはそれでうまく表示されるが,縦書きのときはこれでは画像があるときにその下があいてしまう. 縦書きのときは横長の画面にすれば,あきがすくなくなり,図の左にスペースがあれば,つぎの段落が表示される. このほうがずっとよみやすい.
先週,Printrbot+ の hotend (プリントヘッド) の温度は表示値からずれていることがわかったので,それを調整した. Printrbot+ の Web サイトの "Answers" にある 1 kΩ のトリマーをつける方法をつかった. てもとの赤外線温度計は 180 ℃ までしかはかれないので,誤差がどのくらいあるのかわからないままだが,トリマーを 3/10 くらいまわしたところ,つまり 300 Ω くらいが適当なようだ. これも "Answers" に書いてあったとおりだ.
「Web デザイナーのための」 というタイトルに違和感があるが,要するに 「HTML をおそれないひとのための」 ということだろう. Kindle 本の編集のために適切なツールがない現状では必要な種類の本だ. 松崎 彩 の本でも HTML を直接編集する方法が紹介されているが,本書のほうがはるかにくわしい.
サンプルコードには本のレイアウトやかざりなどををゆたかにするさまざまな方法が簡潔に書かれているので,やくにたつだろう. また,音声や動画のうめこみかたまで書いてあるので,この本を読んでそういう電子本固有の特徴をいかした本がでてくることを期待したい.
残念なのはこの本は校正をしていないらしく,いたるところに誤植があることだ. Kindle 本としてはたかい 500 円もとるのなら,校正くらい,ちゃんとするべきだ. 現状では★数をおとさざるをえない. それから,こまかいことだが,改ページのために独自タグの使用をすすめているが "page-break-before: always" という標準スタイルを使用するべきだろう.
評価: ★★★☆☆
本なら 10 ページくらいのわずかな内容であり,これだけ読めば Kindle 本がつくれるというわけではない. 校正も不十分だ. 99 円かけて買う価値はないとおもう. ツールとしては sigil をつかっているが,それをつかった Kindle 出版本はほかにもあるので,そちらを参照したほうがいいだろう. Kindle のメニューにある 「目次」 のつくりかたが書いてある本はこの本以外にすくないが,HTML の編集が必要なので 「かんたん」 ではない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: かんたん!Kindle自費出版@Amazon.co.jp.
ネットにのせるための,もっともらしいがオリジナリティーはゼロの文章を 400 字 100 円程度でもとめる仕事が,ネット上にあふれている. それをうまくこなせば月 10 万円以上かせぐことも不可能ではないと著者はいい,そのための技術を紹介している.
しかし,それはたしかに人間関係においてはストレスフリーかもしれないが,短時間でもっともらしい文章をどんどん書いていくことがはたしてストレスフリーだろうか? そこには文章を書くたのしみは微塵もないだろう. もっとべつのことをかんがえたらという気がする.
最後に,この本は左右の余白がおおきすぎて,よみにくい. しかし,画面を横長にしたら,いくらかましになる.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: ストレスフリーの新しい働き方@Amazon.co.jp.
日本におけるツイッターの使用状況とくに 「炎上」 事件について実例を多数あげて分析し,海外と比較し,とくに企業などがツイッター・アカウントを運用するときに参考になる助言などを書いている. 事件についてある程度きいてはいるが,すべてを知っているひとはすくないだろう. 「炎上」 に参加しているひともふくめて,ツイッターをつかう日本人みんなに読ませたいような文章だ.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 何か変だよ日本人のツイッター@Amazon.co.jp.
疲れやすいひとに,さまざまな疲労症状ごとに対策をしめしている. 「デトックス」 つまり毒素を排出することで健康になるというかんがえかたにもとづいて系統的に書かれている. しかし,毒素とはなにか (毒素という一つのことばでよべるものなのか?),この本に書いてある方法でなぜそれが排出されるのかということは書いてない. つまり,科学的な根拠はまったくないので,信じることができない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 疲れないカラダの作り方@Amazon.co.jp.
タイトルには 「メディア論」 とあるが,インターネットのような現代のメディアを正面からあつかった議論ではない. 現代のメディアはマスコミだというようなことも書いてあるから,いったいいつ書かれた文章なのかわからない.
現代の問題をかんがえるのに過去を数 100 万年まえまでさかのぼる必要があると著者はかんがえているようであり,それは必要なことかもしれないが,著者がその考察から現代に適用できるなにをまなぼうとしているのかはあきらかでない. 論理がはっきりしてしない以上は,たわごとの域をでない.
評価: ★☆☆☆☆
関連リンク: メディア論@Amazon.co.jp.
著者は 「頭のいい文章」 とは読み手に負担をかけない文章だという. 修飾語と被修飾語をちかづけるとか,長い修飾語をさきに書くとか,結論をさきに書くというような,文章法の本ならどれでも書いてあるようなこともこの本にはもちろん書いてあって,それは読み手の負担をへらすことになるのだろう. しかし,この本の真髄は 「かぎ括弧文章」 (はなしことばで書く) のつかいかたや具体的なできごとを書く,体験をストーリーとして書くというような後半の部分だろう. 「まじめな」(?) 文章読本などには書いてない,ひとのこころをつかむ技術が満載されている.
評価: ★★★★☆
関連リンク: ダメな文章を達人の文章にする@Amazon.co.jp.
タイトルに 「スモールビジネス」 ということばがはいっているが,スモールビジネスにかぎらず有用な,パブリック・クラウドを利用した仕事でのコミュニケーションの技法が紹介されている. 大企業ならプライベート・クラウドがつかえたり,Gmail などは使用禁止になっていたりするからかもしれない. しかし,それほど特別なことが書いてあるわけでもない.
この本は行間がきっちりつまっていて,Kindle の設定ではかえられないので,よみにくい. この種の実用書では,読んだあとで目次から特定の項目がみられると便利だとおもうのだが,この本の目次にはリンクがはってないのでそれができない. というわけで,すこし★をへらした.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: スモールビジネス仕事術@Amazon.co.jp.
SD/SDHC カードを USB で PC につなぐためのアダプタとして,110 円というバカ安な値段で買ったものをつかっていた. 32 GB の SDHC カードも認識されるので,当然つかえるものとおもってつかっていた. ところが,ある日,突然カードがよめなくなった. よくしらべてみると,そのカードは 8 GB のカードまでしか保証していない,危険なカードなのだった.
Printrbot+ のくみたてでさんざん苦労してきた. その結果みえてきた個人向け 3D プリンタの課題をあげる.
Printrbot に関して,ときどき 「初心者むき」 という評価をみかける. しかし,実際にくみたててみて,すくなくとも Printrbot+ に関してはまったく初心者むきでないことがわかった.
2 タイトルの Kindle 本をだしたが,そのうちの 「発展するシンガポール」 上下 2 巻のうちの上巻がノンフィクションの Kindle 本 1766 冊のなかで人気度 190 位にはいった. といっても,まだ 1 桁しか売れていない. それなのに,となり (189 位) には NHK による 「Steve Jobs Special ジョブズと 11 人の証言」 などという本がある. まだいかに Kindle 本が売れていないかがわかる.
きょう,最初は Macintosh と 3D プリンタ Printrbot+ をこれまでどおり /dev/tty.usbmodem12341 で接続できていたのだが,あるとき突然,接続できなくなった. Pronterface のウィンドウの左上すみに表示されているポートをみると,bluetooth しかみえなくなっている. いろいろためしたあげく,ふたたび,つなぐことができた.
Web などでみるかぎり,3D 印刷の際の hotend (プリントヘッド) の温度設定に関しては,たいてい,220 〜 260 ℃ くらいのあいだでうまく選択すればよいくらいのことしか書いてない. しかし,温度設定をすこしずつかえながら Pronterface で extrude してみると,2 度温度をかえるだけで,フィラメントの状態が劇的にかわることがわかる. 温度がきちんと管理できるしくみをつくる必要があるようだ.
これまでに Kindle 本を 5 冊,出版したが,そのうち 4 冊つまりそれぞれ上下巻はきのう一部改訂版をアップロードした. それらの本は Amazon.co.jp で過去 3 日以内の Kindle 本を人気度順にリストするとトップにでてくるということを発見した.
最初に Printrbot+ をくみたてたときは,hotend (プリントヘッド) を extruder にとりつけるときに,位置に関してはなにもかんがえていなかった. 2 本のネジで hotend をはさんでとりつけるが,1 mm 強はあそびがある. Hotend に位置によってフィラメントの挿入口の位置がかわるのだが,extruder のボルトの溝の位置と挿入口の位置がずれていることが,extruder がうまく動作しない原因のひとつなのではないかとかんがえて,ネジをはずして位置を調整した. これによって,フィラメントがうまくおくられるようになったようだ.
論文のかきかたに関する本はやまほどあるが,この本はパラグラフのかきかたにしぼって,徹底的な訓練をめざしている. ほかの本を読んでも知識としてはおぼえるだろうが,なかなか実践するまではいかないだろう. このくらい徹底的にやればこそ身につくだろうとおもう.
評価: ★★★★★
関連リンク: 書く技術@Amazon.co.jp.
「論理思考」 といっても,ほとんどディベートの方法とくに 「論証責任」 とか 「クレーム」 という概念を中心に説明している (と書いても意味がわからないだろうが,この本を読んでもらう必要があるだろう).
タイトルに 「高校生のための」 とある. しかし,最後の章には入試問題がとりあげられているが,それまではかならずしも高校生がこの本を読むモティベーションがないようにおもえる. 最初の 100 ページくらいはトレーニングではなくて,論理によわい日本人と日本語を英語とくらべた評論的な内容だが,それを読むうちにモティベーションをもってもらいたいということかもしれない. トレーニングの本とおもわなければ,そこを読むだけでも価値があるとおもう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 論理思考トレーニング@Amazon.co.jp.
「《大学で》すべきこと」 ではなくて 「《大学時代に》すべきこと」 というのがミソなのだろう. 勉強法も書いてあるが,ノートはこまかく書けば書くほどよいというような,首をかしげるようなことが書いてあるだけだ. むしろこの本の読むべきところは人間関係・恋愛などに関する部分かもしれない. しかし,たいていの内容はとくに 「大学時代」 に限定されることではない. 大学生活のマニュアルにはならないだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 大学時代にすべきこと@Amazon.co.jp.
タイトルにあるように,この本の中心的な話題は戦後半世紀の性描写のあるマンガに関する議論と規制だ. なにが議論されどういう規制がされたかがえがかれている. しかし,対象になったマンガがどういうものだったのかは,この本を読んでもよくわからない. 最近のものはともかく,半世紀まえに問題とされたものは現在ではサンプルを掲載しても問題ないだろう. 内容もわからずに議論や規制について書かれてもピンとこない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: マンガはなぜ規制されるのか@Amazon.co.jp.
著者がなにをかんがえて 「考え抜く技術」 などというタイトルをつけたのか,わからない. 「考え抜く」 といえば論理的思考のことだとおもうが,これはむしろ発想法の本だ. どうすればよいかんがえがひらめくか,そのためのいろいろな技術が書いてある. 論理性はほとんどゼロだ. タイトルにまどわされずに読めば,えるものはいろいろあるとおもう. しかし,本を買うときにはやはりタイトルに影響されるから,★をへらした.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 考え抜く技術@Amazon.co.jp.
論文などを書くための準備から執筆そして学会発表にいたるまで,1 冊でひととおりのことが書いてある. パラグラフのかきかたは 1980 年代に出版されたこの本からひろまったといってよいだろうが,いまでもひととおりのことを知るにはよい本だとおもう. ただし,パラグラフのかきかたはこの本をよむだけでは身につかないだろうから,この本を読んでから他の本や講座などでトレーニングするとよいだろう. また,ふるくなっていることもあるから,最近の本でおぎなうとよいだろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 理科系の作文技術 @Amazon.co.jp.
これは英語の文章などにも通用するマクロな作文技術の本ではないが,日本語の文を構成するためのミクロな作文技術の本としてはこれ以上のものはないのではないかとおもう. 文系・理系をとわず,わかりやすい文を書くための方法が豊富な例をつかって徹底的に説明されている.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 日本語の作文技術@Amazon.co.jp.
昨年 1 月にインドの IT 都市バンガロールをあるきまわってとった写真を Kindle 本にしてみた: 「歩いた食べたインドの IT 都市 バンガロール」
著者は科学史的な観点からこの本を書いているようだ. 学問には普遍的な部分があり,それをよく解説している. しかし,著者はこの本の執筆時点でも大学でおしえていたようなのだが,とても現代の大学や学問の状況を把握しているとはおもえない. たとえば,コンピュータ科学が成熟した時代なのに 「コンピュータ技術のように数年にしてすっかり陳腐化してしまう」 というような表現をつかっている. だから,これから大学生になるひとにとって,この本は骨董品であって実用品ではない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 大学生になるきみへ@Amazon.co.jp.
この本は,まえがきを読むと一応これから大学に行こうとしているひと,とくにわかいひとを対象としてかんがえているらしい. しかし,読んでみると対象あるいはねらいがわからなくなってくる. 最初にはバリバリの研究者の文があり,これから大学にいくおおくのひとには関係なさそうだ. あとのほうには,わかいとき大学にいかないことを選択したひとの話や障碍者の話などがある. それも教養として意味があるとおもうが,これから大学にいこうとしているふつうのひとにとって重要な話だろうか?
評価: ★★☆☆☆
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もっていた TN006 という赤外線温度計では 180 ℃ までしか測定できないので,380 ℃ まではかれるという,楽天でよく売っているピストル形の赤外線温度計を買った. しかし,これは失敗だった. 3D プリンタのホットエンドの温度を測定したかったのだが,そのようなせまい面積をはかることはできない. 先端の温度をはかると 50 ℃ 以下という,ありえない温度を表示する.
せまい面積の高温を正確にはかるのはむずかしいということを痛感した. 3D プリンタ Printrbot+ の hot end (プリントヘッド) の指示温度がおおきくはずれていることがわかって,温度をはかる必要が生じた. てもちの赤外線温度計は 180 ℃ までしかはかれないので,もっとたかい温度がはかれる温度計を 2 個買ったが,どちらでもうまくはかれなかった.
3D プリンタ Printrbot+ で,あいかわらず安定した印刷ができない. 電源をいれてしばらくのあいだは印刷できるが,そのうちできなくなる. Hot end にはサーミスタがついているからその部分の温度は一定になるはずだが,サーミスタはノズルの先端についているわけではない. 先端の温度はサーミスタよりひくくて,しかも時間とともに変化する (低下する) ことに問題があるようにおもえてきた.
自宅でいれたお茶を 1 リットルのペットボトルにつめて,会社などにもっていっている. 最近そのレパートリーにくわわったのが紅茶だが,うっかり長時間抽出してからペットボトルにつめたところ,かなりにがくて渋いものになってしまった. それをひやすと,写真のようににごってしまった. これはとても紅茶とはおもえない.
3D プリンタはノズルからでたフィラメントをすぐにひやさないと,かたちがくずれやすい. それをふせぐには,フィラメントを冷却するためのファンをつけるのがよいとされている. Printrbot+ にはそのファンのための電源も用意されている. ところが,キットにはこのファンも,ファンをとりつけるためのものも付属していない. ようやくそのファンととりつけ方法を検討するところまできたが,今週は検討と発注だけでおわってしまった.
冷却ファンがない状態で,extruder の温度をかえながらおなじオブジェクトを印刷してみた. 表示温度 235 ℃ (実際は 260 ℃くらい ?) から 205 ℃ までためしたが,205 ℃ のときがもっとも品質はよかった.
先週は一応印刷ができるようになったが,ときどき extruder の歯車の回転がうまくいかなくなる. 歯車がうまくかみあわないことが原因だろうとかんがえて,ついには歯車をけずってみたが,最大の原因は歯車がネジとこすれあうことだとわかった. その原因をなくして,安定に回転できるようにした.
3D プリンタ Printrbot+ のプリントベッドの温度センサーはテープではりつけてあるだけだ. ちゃんと接触しているかどうか,こころもとない. そこで,CPU クーラー用のグリースをつけてみた. これですこし熱抵抗はさがったようだが,期待したほどではなかった. あいかわらず表示温度と実際の温度とのあいだにはおおきな差がある.
高校の授業・勉強から部活動,環境,人間関係など,さまざまなことに関して,非常に常識的かつ古典的なアドバイスがしめされている. ときにはステレオタイプだとおもえる内容もある. ひととおりのことを知るには便利だろう. しかし,これだけで現代の高校生活がおくれるということにはならないだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 高校生活100のアドバイス@Amazon.co.jp.
現代の男子,女子がつかう 「かわいい」 から平安時代のそれ (現代とは意味がちがう),cute などの外国語まで,ひろく論じている. 男子がつかうのと女子がつかうのをいっしょに論じていいのかどうかも気になるところだが,すべての 「かわいい」 をはっきりわけずに論じている. 著者も 「「かわいい」 とジェンダーの関係については [中略] いずれ場所を変えて,より深い次元での分析がこころみられるべきであろう」 と書いているが,もうすこし整理してから本にしてもらいたかったとおもう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 「かわいい」論@Amazon.co.jp.
妻やともだちとの関係や仕事・学習・趣味など,さまざまなことが書いてある. しかし,たいていは常識的または現在の生活をすこしだけかえる程度のことだろう. 現代の 60 代にはこの程度のことしかのぞめないということかもしれないが,これからの日本をいきるにはまったく不十分な部分があるようにおもう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 文庫@Amazon.co.jp, 単行本@Amazon.co.jp.
韓国,台湾,インドはもちろん,ロシア,南アフリカ,イスラエルなども分析されている. これらの国における科学技術開発の現状をひととおり知るには便利だろう. しかし,たぶん 2 次情報をまとめただけなのだろう. おもしろみ,いきいきしたところなどはまったくない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 躍進する新興国の科学技術@Amazon.co.jp.
仕事のこともかいてあってよさそうなものだが,あまりない. 「ライフワーク」 とか 「何をのこせるか」 というのがそれにあたるのだろう. 大半のページは家族や友人,恋愛などにあてられている. 疑問なのはよく似た話が別の章に書いてあることだ. きれいに整理するのがいつも最善とはかぎらないが,もうすこし整理したほうがよいようにおもう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 文庫@Amazon.co.jp, 単行本@Amazon.co.jp.
30 年以上まえに手書きで書いた修士論文を手書きのままで Kindle 本にした: 「プログラミング言語学をめざして」. おどろいたことに,私自身が出版されたことを確認するまえに,すでに 1 冊売れた.
従来の紙の書籍をおきかえるものとしての電子書籍という視点においては,よく分析されている. しかし,電子書籍が紙にかわりうるのかどうかという検討もなされていないし,紙では実現不可能または困難だったことの実現という視点もよわい. たとえば,この本の出版時点で Amazon.com に関しては話題になってた個人出版についてはまったく記述されていない. 2013 年はじめの時点では Amazon.co.jp で出版されている本のおおくが個人出版によるものであることをみれば,この本の視野がせますぎたことはあきらかだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 2015年の電子書籍@Amazon.co.jp.
出版されてから 30 年以上たつ本であり,その間,ずっと大学をふくむ教育改革の必要性が指摘され,部分的には実践されてきた. しかし,それにもかかわらず,この本に書かれていることの大半は現在の大学にもあてはまる. いかに改革がすすんでいないかがわかる.
だから,この本はいまの大学でもやくにたつだろう. しかし,そういう大学にそのままみとめてしまうのではなくて,読者にはそれを改革するべきものとして読んでほしいとおもう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 大学でなにを学ぶか@Amazon.co.jp.
日本における英文のかきかたの本のおおくは,ひとつの文のなかにあらわれる単語や表現に重点をおいている. この本は,そうではなくて,バラグラフの構成やパラグラフ内での文のつなぎなどに重点をおいている. 論文のかきかたも意識しているが,ビジネス英語により重点があるので,ひとによい印象をあたえる文章というところにも注力している. パラグラフに関してはこの本もひととおりのことが書いてあるが,不足している部分もあるから,おなじ著者による 「論理が伝わる 世界標準の「書く技術」」 も読むとよい.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 英語ライティング上達法@Amazon.co.jp.
著者は選択と集中,中期経営計画,顧客至上主義など,経営の常識とかんがえられていることに異をとなえている. こういった概念にとらわれずに大胆に改革することが重要だという趣旨であり,それは共感できる. しかし,それらにかわる理論があるのかというと,それはない. メチャクチャやればたまにはヒットがでるというだけの話であって,とくに大企業の経営者にはすぐに乗れる話ではないだろう. もっと周到な議論が必要だ.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: もう終わっている会社@Amazon.co.jp.
科学理論がきたえられる過程などについて書いていて,それはフムフムと読むことができる. しかし,第 3 章など,とても読みにくい部分がある. 「科学的な 「説明」 には 3 種類ある」 という内容が書かれているが,各項目のはじめには何について書いているのか説明がなくて,最後にやっとわかる. しかし,最後のまとめを読んで読みかえしてみても,まったく頭にはいらない. ついにそこで読むのを断念した. あとは読んでいないからわからないが,すくなくとも教科書よりわかりやすく書いてくれなければ,この種の本に価値はないだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 「科学的思考」のレッスン@Amazon.co.jp.
インタラクション・デザインについての本をつぎつぎに書いているノーマンの本である. インタラクションは単純化することはできない,複雑でも人間にうけいれられるようにする必要があるという趣旨だ. これまでにない概念として 「シグニファイア」 を提案しているが,これまでの本とくらべてそれほど,あたらしい主張が整理されたかたちでなされているわけではない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 複雑さと共に暮らす@Amazon.co.jp.
"Design for the Other 90%" という明確なメッセージをもった原書のタイトルとくらべると,訳書はよくわからないタイトルになっている. これまでデザイナーが対象としてきた先進国の 10% のひとではなく,のこりの 90% のひとのためのデザイン. ローテクであり現地で入手可能な材料をつかって,これまでできなかったことを実現する. それはやはりデザイナーやエンジニアのちからなのだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 世界を変えるデザイン@Amazon.co.jp.
従来の 「接続詞」 の概念を拡張して,文末にある 「つなぎ」 表現も接続詞としてあつかっている. 文と文をつなぐのが目的だから,より適切なほうをえらぶことができるのでよいだろう. しかし,拡張するなら,文をつなぐのに名刺がつかえることも書くべきだろう. 英語なら代名詞や冠詞もつなぎになるが,日本語ではつかえない.
「接続詞のさじ加減」 という章では接続詞がつかいにくいときに文のつなぎをなくしてしまうことをかんがえている. とりあげられている例のおおくは文に主語がないために名詞によるつなぎがなくなっている. 英語なら主語が省略できないからつながるのだが,日本語ではつながらない. しかし,くふうすればつなげる場合もあるとかんがえられる. この本を改訂する機会があるなら,さらに洗練してほしいとおもう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 文章は接続詞で決まる@Amazon.co.jp.
Kindle 本の出版をこころみているが,KDP はバグだらけでこまる. しかも,タイトルが不適切 (?!) であることが,あとでプレビュー・ファイルをダウンロードしたりするときにエラーの原因になるので,原因の特定が困難だ. だから,アマゾンに文句をつけたが,どうなるだろう.
サイズが 3 MB までのファイルはロイヤルティとして 35% を指定すると最低価格として 99 セント,99 円を指定することができるようになることになっている. そこで,3 MB ぎりぎりの Kindle 本をつくって 35%, 1.1 ドル (ほぼ 99 円) を指定したら,この設定を保存することができなくなった. 「ドラフトとして保存」 のボタンをおすとエラーがおこるのだ. KDP はほんとうにバグだらけのシステムだ.
本の内容やタイトルをどうするか,どういうソフトをつかうかなど,ひととおりのことを書こうとはしているようだ. しかし,図がまったくないのでソフトのつかいかたなどはこれだけではわからないだろう. 出版するには KDP のつかいかたを知る必要があるが,この本には具体的には書いてないので,ほかの本をみる必要がある. この本からえられるものは,あまりないだろう.
評価: ★☆☆☆☆
関連リンク: Kindleで誰でも出版@Amazon.co.jp.
Kindle 本には Web へのリンクをうめこむことができる. いうまでもなく 1 行に複数個のリンクをうめこむことができるが,Macintosh の Kindle ソフトウェアでは,そのうちどれかひとつだけをひらくということができないようだ. 同一行にあるリンクはいっぺんにひらかれる. これがよいとはおもえない.
タイトルに 「ドラッグ & ドロップで」 とあるので,ほんとうにかんたんにつくれるのかと誤解しそうだが,それほどかんたんではないようだ. 変換ツールをつかったり,HTML タグを書いたりというわずらわしい作業がやはり必要だ. しかし,この本のよいところは,かんたんにつくれるということよりも,経験にうらづけられた Kindle 本づくりの技術だろう. 適切に図をつかって説明している. Epub の目次づくりが技術のひとつなのだが,その目次から本のなかの目次にとべないのはすこし不満だ.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 簡単に作れる電子書籍@Amazon.co.jp.
Microsoft Word をつかった Kindle 本のつくりかた,KDP による出版のしかたなどを書いている. 最近,雨後のきのこのようにあるこの手の本のなかで,とくにめだつ内容はない. それから,目次がクリックできないのはちょっと不満.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 稼げる「日曜ライター」@Amazon.co.jp.
1998 年にアメリカで出版されたこの本は,つかいにくい汎用のパソコンではなくて,より専用化されてつかいやすくなった 「情報アプライアンス」 がつかわれるようになることを予言している. PC がおきかえられつつあることは予言どおりだが,かわりに登場したスマートフォンやタブレットは PC にちかい汎用性をもち,そのために,パソコンほどでないとしても複雑さをかかえている. はたして著者の予言ははずれたのか ?!
評価: ★★★★☆
関連リンク: インビジブルコンピュータ@Amazon.co.jp.
ちょっとひかれる写真もある. しかし,脈絡なく写真がならべられているだけで,なにも説明がないし,なんの変哲もない写真が多い.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: ヴェネツィア@Amazon.co.jp.
やさしい物理の本というと式が書いてなくて定量的な理解ができないものもあるが,この本は定性的な理解だけなら式を追わなくても理解できるし,式を追えば定量的な理解もできるように書いてある. 物理は感覚的に理解することが重要だが,この本では身近な例をあげることで,それをうながしている.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 新しい高校物理の教科書@Amazon.co.jp.
さまざまな雑誌などに発表された短文をあつめたものなのでまとまりはうすいが,著者のかんがえはほぼ一貫している. 著者は,日本人がよくつかう論理が理科系の論文や発表の際にはうけいれられないことを指摘しつつ,日本人どうしのコミュニケーションにおいては従来のやりかたを否定していない. 文章や発表のくみたてかたに関する示唆は現在も有効だが,1960 〜 90 年代に書かれたものなので,ふるくなってしまった部分もある.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 日本語の思考法 @Amazon.co.jp.
中国は大きく広く深く多いので,なかなかとらえられないと著者はいう. 著者自身も「書き進みながら中国は難しいと悲鳴を上げること度々であった」と書いている. この本では中国を国境問題,少数民族問題,政治家,日中関係,将来などの観点で書いているが,中国の大きさ,広さ,深さ,多さにせまれているとはおもえない. 日中関係をとってみても,「謝罪とは,たった一度だけ,相手にこれ以後は有無を言わせないというやり方で行う以外に方法はないのである」と書きながら,すでに「たった一度」ならずおこなっている謝罪を実利的に (つまりカネで) おこなうべきだという矛盾したことを平気で書いている. 中国のむずかしさにせまれているとはおもうが,解決策にはまったくせまれていない.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 中国という難問@Amazon.co.jp.
著者はもっと具体的なデザインの本を多数出版しているが,この本は比較的抽象的な内容だ. 著者のデザインが注目をあつめるのはそこに美はもちろん哲学があるからだとおもうが,デザイナーというのはそれを具体的に表現することこそが得意なのだろう. この本でも一部には具体的なデザインが紹介されていて,おもしろい. 抽象的な表現からはあまり魅力が感じられない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 日本のデザイン@Amazon.co.jp.
「この国でいま進行している事態は錯誤である! 」 ではじまる内容紹介の異常な (?!) わかりやすさとはうらはらに,もしその 「錯誤」 を指摘するのが目的であるなら,この本じたいはとてもまわりくどい. まわりくどく表現せざるをえないなにかがあり,それゆえに 「ぼくの書くこと,話すことが「文壇」 や 「論壇」 と呼ばれる場所で全く通じな」 いのではないか. そのまわりくどさ,わかりにくさは,まだこの議論が本質をとらえそこなっているからなのではないか.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 物語消費論改@Amazon.co.jp.