理系の教養は? ― 斎藤 兆史 著 「教養の力 ― 東大駒場で学ぶこと」
最近 「教養」 をみなおそうというながれがあり,この本もそのひとつだろう. それはよいのだが,この本も理系の教養についてはほとんど書いてない. 東大理一つまり駒場でかつてまなんだものとしては,理系の人間にとっての教養とはなにかということが気になるが,それにはあまりこたえてくれていない. この本でも重要性が指摘されている 「情報戦別の基準」 というような 「情報リテラシー」 は分離共通のものだろうが,この本の内容のほとんどは文系の教養だ. 「教養」 ということばがまず意味するものがそれだということはみとめるが,理系の教養というのもあるはずで,東大で理系が駒場でまなぶことはそれのはずだ. この本は文系の著者が書いたことだからしかたがないが,それが書いてないことにはやはりフラストレーションを感じざるをえない.
評価: ★★★☆☆
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