Rostock MAX での最初の印刷物は,x 軸のプーリがスリップして,ずれたかたちになってしまった. しかし,そのときはスリップさえなくせばほとんどゴールに達することができるとかんがえていた. しかし,そこからさきが,おもったよりながかった. ノズルの位置の調整,温度の調整,raft の調整など,いろいろなステップをへる必要があった.
プーリを交換した結果,印刷がずれることはなくなった. しかし,樹脂がカプトン・テープからはがれる事故が続出した. 印刷がおわるまえに,作品がプリント・ベッドからはずれてしまう. はがれた作品をみると,下面が凸に湾曲している (たとえば左下の写真). 印刷していてわかることは,第 1 層がとてもうすいことだ. z = 0 を指定したときにちょうどノズルがプリント・ベッドにあたるように調整したつもりなのだが,まだその位置がひくすぎるのかもしれない.
また,はがれる原因のひとつとしてかんがえられるのは,プリント・ベッドの温度がひくいことだ. SeeMeCNC では 60℃ にすることをすすめているが,これはひくすぎるのではないか. WWW などでは,ABS 樹脂における最適値はもっとたかいことを主張していることがおおい. そこで,これを 80℃ にしてみた. これはだいぶ効果があったようだ. 印刷物はプリント・ベッドからはがれにくくなった. まだ完璧ではないので,あとでノズルのたかさを調整してみることにしよう.
ところで,raft があるとまだしもはがれにくい. スライサとしては Slic3r と Skeinforge の両方をためしていたが,これまで Slic3r で raft を印刷したことはなかった. 設定用ウィンドウでは raft も指定できるようなので,やってみた. しかし,指定しても raft がつくられない. とりあえずは Skeinforge でためしてみることにしよう.
印刷の途中でプリント・ベッドからはがれる事故はこれですくなくなったが,印刷密度がどうもうすい. すきまだられだ (たとえば右の写真の手前の Mr. Jaws,それから上のギアもそうだ). どうしてそういうことになるのだろうか. エクストルーダをしらべてみると,フィラメントがけずれているためにスリップしているようだ. 底で,スリップしないようにそうじしてみたが,またすぐにけずれるようになる. これは無理なちからがかかっていることを意味している. つまり,温度がひくすぎるのだ.
ギアのつぎにためしたのが中空のピラミッドだ. これは Printrbot では最初うまく印刷できなかったが,調整し冷却ファンをつけてようやくただしく印刷できるようになった. Rostock MAX ではファンをつけてなくてもほぼ Printrbot とおなじレベルの印刷ができることがわかった (左の写真). ただし,糸をひいている点も Printrbot のときとおなじだ. うごきをみていると,柱のあいだを移動するときにフィラメントを後退させて (retract して) いない. 糸をひいてしまうのはスライスのしかたに問題があるようにおもえる.
くみたてガイドではノズルの温度を 185℃ にするように書いてある. しかし,これではひくすぎるのではないか. 実際の温度はずれている可能性があるから,実のところ何度になっているのかはよくわからない. 185℃ よりひくい可能性もある. そこで,すこし温度をあげてみることにした. フィラメントがけずれないようにするには,195℃ 以上にする必要があることがわかった. そこで,最初は 205℃ にして,そこから徐々にひやしていくようにすればよいだろう.
そういうわけで 205℃ にしてみると,フィラメントがけずれることはほぼなくなり,印刷密度は回復した.