11 月 14 日の NHK 「クローズアップ現代」 では,最近,不正選挙などで注目をあつめている徳洲会をとりあげていた. 不正の実態を分析するだけでなく,医療改革をすすめてきた徳田虎雄がなぜ政治にかかわり,なりふりかまわぬ選挙をしてきたのか,納得のいく説明をしていた. 巨大な敵である医師会とのたたかいの手段がこういう選挙しかなかったということだ.
医師会とのたたかいは徳洲会がつくられて以来のものであり,徳洲会が最近,理想からはずれたということではない. 医師会とたたかう方法がほかになかったとしても,それが不正選挙を正当化する理由にはならない. 連座制で徳田毅が代議士の資格をうしなえば,医師会とたたかうことができなくなり,徳洲会の存在そのものがあぶなくなるかもしれない. 連座制が適用されるかどうかはまだわからないが,いずれにしても,もはやこれまでの路線をはしりつづけることはできないだろう.
番組スタッフがこういうふかい分析をしているにもかかわらず,コメンテーターはそれを無視して,原点にもどるべきだというような,あさい常識的な説明をするにとどまっていた. コメンテーターの選択をあやまったのも NHK のスタッフなのだろう.
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