3D プリンタを通常とはちがう方法でつかって,興味ぶかいランダムな “セル・オートマトン風” のパターンを生成することができる (このビデオを参照). よりすくないフィラメントをつかうことで疎でよりゆらぎがおおきいパターンが生成され,よりおおくのフィラメントをつかうことで密でよりゆらぎがちいさいパターンが生成される.
上の写真は疎なパターンをしめしている. このパターンは右から左に印刷することで生成されている. フィラメントとしては ABS 樹脂をつかっている. (PLA 樹脂をつかうと,これほどおもしろいパターンにはならない.) 層のあつさは 0.25 mm としている. 格子が左から右 (つまり印刷の方向とは逆) にながれている. そのうちのいくつかは途中できえ,いくつかはわかれたり,あつまったりしている.
この 2 番めの写真は密なパターンをあらわしている. より規則的なパターンが生成されているが,それでもまだ一様ではない. より規則的な部分 (格子が密な部分) つまり中央では,垂直な線がみえる. このような線が生成されるのは,ヘッドのうごきが一様でないからだ. (ヘッドは円筒をつくるように移動しているが,円筒を 5° ごとの直線で近似しているため,ほぼ 5° ごとに縦線がはいる. とはいえ,縦線がときにはふとく,ときにはほとんどみえないようになる理由はわかっていない.)
この写真にみられる興味ぶかい構造のひとつは,左にみえる上下を逆にした U 字型のかたち (靴形ともいえる) だ (下の写真の黄色い円を参照). 類似したかたちが垂直方向に反復している. よりちいさい,しかし類似したかたちが右にもみえる (あかるい黄色の円を参照). 緑色の楕円はもうひとつの垂直に反復するパターンをしめしている.
逆 U 字型は疎なパターンのなかにもみることができる (下図参照).
3 つめのパターン (上の写真) は中くらいの密度のものだ. この写真では,規則的なパターンがこまかくわかれている. 垂直方向にくりかえす逆 U 字形がここにもみえる.