ちかごろあまり論文査読がまわってこなかったのだが,最近 1 件,IEICE (電子情報通信学会) Communications Express という英文誌の査読がきた. 7 日以内に査読結果をかえすことがもとめられている. 査読をかんたんにするために 「条件つき採択」 という選択肢をなくしているのだが,私にとってはかえってやりにくい.
査読の依頼がきたときにいそがしければ,しばらく論文をほうっておくこともある. しかし,通常の査読でも私のばあい時間があればすぐに査読し,参照するべき文献があるとしても 2 日くらいで結果をだしている. Communications Express の論文であっても,基本的にはかわらない. ほうっておくことはゆるされないから,いそがしいときは,ことわることになるだろう.
査読すればたいてい論文の欠点がみえてくるから,私のばあい,なにもコメントをつけずに採択することはほとんどない. 今回はコメントをつけたうえで 「採択」 という判断をしたのだが,それは 「条件つき採択」 という選択肢がないからだ. ところが,委員からはコメントをつけるなら 「不採択」 にするべきだと指摘されたので結局それにしたがった.
「不採択」 とすると著者にネガティブな印象をあたえかねないので,つよく再投稿をすすめるコメントを書いておいた. 採択するときはコメントをかかなくてよいということで査読者の負担をへらしているつもりなのだろうが,査読して欠点がみえているのにそれを指摘せずに採択するのでは査読する意味がないようにおもう. 私にあたった著者は幸福なのか不幸なのか… 私としては最善のサービスをしているつもりなのだが…