1 月 17 日,東大生産技術研究所で 第 4 回 AM (additiive manufacturing) シンポジウムがひらかれた. 私は初参加だが,毎年ひらかれてきたという. 昨年までは参加者が 200 人以下で会場のコンベンション・ホールにはいりきれたということだが,ことしはついにはいりきらなくなり,2 つのサテライト会場がもうけられた. めだまのプログラムはルイビル大学の Brent Stucker 教授による 100 分にわたる講演だが,ほかにもいろいろな話をきくことができた. 私は「ゆらぎ印刷」の作品をもっていってそのプロセスなどに興味をもってくれる研究者をさがしたが,残念ながらつよい興味をひくことはできなかったようだ.
Brent Stucker 教授の話は世界とくにアメリカでの 3D 印刷の現状が中心だが,アメリカでは一般人にかなり普及して,たいていのまちには印刷を依頼できる場所があることが紹介されていた. そのあとの東大の新野 (にいの) 教授の話には日本ではそういうサービスを DMM.com がはじめたという話がでてきたが,こちらはまだ目玉のとびでる価格のようだ. アメリカではメール・オーダーだと送料が気になるくらいの値段だが,DMM.com のはそういうレベルではない.
Stucker 教授の話は日米欧のちがいにも言及していたが,アメリカではすでに 3D 印刷で部品の製品をつくることに興味がうつっているのに対して,日本では従来のアメリカと同様にプロトタイピングが中心だということだ. 3D 印刷したものを製品として売るには,品質・保障などが問題になるが,日本ではこうした問題にはまだあまり目がいっていないということだろう. 産総研の岡崎氏による 「医療認証について」 という講演では患者にあわせた人工骨などの製品化を促進しようとしていた. 制度はととのってきたということだが,まだ開発者側の道はとおいのだろう.
私は 「ゆらぎ印刷」 でできるパターンのモデルがうまくつくれずにいるので,ヒントをくれるひとをさがすためにいくつかの作品をもっていった. ひるまに東大の新野教授,ルイビル大の Stucker 教授にみせて,多少のヒントをもらった. 工業デザイナーである東大の山中教授 (後援者のひとり) にも意見をきいたところ,すこし興味があるようだったが,ちょっと話をしただけでおわった. 最後に懇親会があり,そこでもいろいろなひとにみせてまわったが,たいした収穫はなかった.