「ゆらぎ印刷」でえられるパターンには印刷速度がかなり影響していることがわかっていた. それについてしらべているうちに,印刷速度よりもファンの on/off あるいはファンによる風のつよさがはるかにおおきくきいていることがわかった.
ファンをゆるくまわしながら,印刷速度をかえて,パターンがどう変化するかをみていた. フィラメントの量がおなじでも,低速だと密なパターン,高速だと疎なパターンができる. 2 種類のパラメタ・セットでそれをみてみる. 層厚は 0.13 mm と 0.18 mm,左が 2400 mm/min, 右が 4800 mm/min で印刷したものだ. 右のほうがばらつきがおおきいことがわかる.
ところが,いまはファンのスイッチを手でいれているので,ときどきそれをわすれる. そうすると,途中でファンをいれることになるが,その影響はとてもおおきいことがわかった. ファンをいれて印刷したパターンととめて印刷したパターンをならべてみる. 下の 2 組の写真はいずれも左側がファンが十分きいているとき,右側はファンをとめたときだ. 半径 20 mm の円を 3200 mm/min の指定でえがいているから,1 回転するのに 3 秒弱かかる. 風がよわいとそのあいだに十分冷却されないということだ.
さらに,最初はファンをとめておいて,途中でいれたあとまたきってみると,つぎのようなパターンができる. ファンがはいっているときは非常に規則性がたかくなっていることがわかる.
パターンの変化にかかわっているのは印刷している層のすぐ下の層の温度なのだろう. ファンがないときや印刷速度がたかいときはその温度がたかい. このときは疎なパターンが生成されやすいし,ランダム性がたかくなる. ランダムさの原因になっているのは,温度がたかいとプラスティックがやわらかいことだろう. やわらかいと変形しやすいが,変形のしかたはそのときどきでちがう. 温度がひくければ変形しにくいから,ランダムさははいりにくい.
しかし,印刷ずみの層を室温でない一定の温度にするのは困難だ. できることはいそいで室温ちかくまで冷却することだ. これまでファンをとおくにおいていたので十分に冷却できていなかったが,アームにファンをつけることにした. サボったとりつけかたなので場合によっては十分でないが,円筒形の印刷くらいなら,このくらいでだいたいひやせる.