先週末まで,しばらく故障なしで動作していた Rostock MAX が不調になった. きっかけはたぶんすこし過熱したことだとおもうが,ヘッドの先端がはずれて,それをなおそうとしているうちに,ついにサーミスタをこわしてしまった. ふたたび過熱事故がおこることは予想していなかったし,サーミスタももうだいじょうぶだろうとかんがえていたのだが,そうではなかった.
もう 1 週間くらいまえなので,最初になにがおこったのか,はっきりとおぼえていない. しかし,しっかりねじこめなくなっていたヘッドの先端がゆるんだのが最初におこったことだとおもう. いったんネジをはずすと,ネジのところにプラスティックがはいりこんで,完全にネジがしめられなくなる. そういう状態でつかっているので,そのはいりこんだプラスティックが熱でとけると,問題がおこる. 過熱といっても,PTFE がとける 260℃ はこえていないはずだ.
ゆるんだネジを再度しめようとしてもあまりうまくいかないが,なんとかおさめてつかっていると,今度はフィラメントがうまくおくられなくなる. あけてみると,PTFE チューブに問題があるらしい. チューブのなかに PLA がとけて,つまってしまう.
その原因はすぐにはわからなかったが,いろいろやっているうちに,2 重になっている PTFE チューブのうちの外側が劣化しているためらしいことがわかった. チューブのなかでとけると,つまってしまう. 外側チューブの劣化のためにすきまができて熱せられた空気が内側の PTFE チューブをあたため,その内部のプラスティックをとかしてしまうらしい. 劣化したのは以前の事故でとけたことが原因のようだ.
結局このチューブを交換したのだが,いろいろやっているうちにサーミスタを断線させてしまった. サーミスタは何個か買っておいたはずだが,さがしてもみつからない. すでに全部つかってしまったのかもしれない. もう 1 個,つかっていないヘッドにつけたサーミスタがあったので,それをはずしてつけてみたが,すでにリード線がいたんでいたからだろう,まもなくそれもサーミスタ内部で断線してしまった. これまでの断線はサーミスタの外部だったが,内部ではいよいよどうしようもない. サーミスタはマルツパーツ館に発注するとすぐにとどいたので,それに交換した.
これでなんとかつかえるようになったが,ヘッドをくみたてるネジはいよいよはいらない. なんとかすこしだけ,ねじこんであるが,いつまたはずれるかわからない. Rostock MAX の製造元である SeeMeCNC にヘッド 2 個を追加注文しておいた. それがとどいたら,今度はネジがいたむことがないようにヘッドをくみたてようとおもう.
最後に,サーミスタの断線原因についてかんがえておく. サーミスタはバンドでしばりつけ,ヘッドからぬけないようにしてあった. ぬけるとヘッドの過熱事故につながるからだ. ぬけなくなったかわりに,断線事故はおこりやすくなっている. 断線をふせぐためにリード線には PTFE チューブをかぶせ,根元は RTV ゴムでかためている. ゴムなのでやわらかく,リード線をひっぱったときに断線を完全にはふせげないとかんがえられる. しかし,今回はそんなにつよいちからはくわえていない. それでも断線したのは,RTV が劣化していたからではないかとかんがえられる. RTV のなかでも,使用している KE-45 というものは比較的,高温によわい可能性がある. より耐熱温度がたかい RTV を使用するのがよいのだろう. つぎは Monotaro で 「高耐熱シリコンガスケット」 と称しているものを買ってみようとおもう. これは耐熱温度が 371℃ なのだという.