ICOIN 2015 という学会で 2 件の発表をするために,カンボジアのシェムリアップ (Siem Reap) にきた. 学会最終日のきょうは,それがおわったあとにすこし観光する時間があった. アンコール・ワットまであるいていくつもりだったが,途中に入場券うりばがあり,そこでひとまわりするには距離がありすぎるので,あるけないとさんざんいわれて,結局 TukTuk にのることにした. 半日なのに 1 日ぶんはらうことになってしまったし,ほかにもいろいろ散財することになってしまった.
学会後いったんホテルにかえったが,まもなくホテルをでて,アンコール・ワットにつづくメイン・ロードをあるいていった. 途中にはコロニアルな雰囲気のまちもある.
そのまちのいりぐちにはおおきなマーケットがある. 野菜,くだもの,肉,さかな,などなど,いろいろなものを売っている. 肉や野菜もテーブルのうえにならべて売っている. ポーランドでもそういう売り方をしていたが,ここのほうが気温はずっとたかい. 冷蔵庫がないのと,ひとびとは売り物を直接みたいのとでそうなっているのだろうが,当然,虫もちかづいてくる.
ひとの像もあったが,それより象の像のほうがよくみかける. 写真だとほんもののようにもみえる.
そのうち,道路の横にチケット売りばがある場所にいきつく. アンコール・ワットをみるにはここでチケットを買う必要があるということはすぐにわかったが,どういう範囲のものかははっきり書いてない. 立て看板などで確認してだいたいわかったので,売り場にいった. あすもくるつもりなので,1 日券を 2 回買うか,3 日券を買うかという選択肢があった. どちらも 40 ドルかかる. あすもう一度買う手間をはぶくために,3 日券にした.
15 ドルはらって TukTuk にのることにしたのだが,しばらく TukTuk をまっているあいだに,改札係の女性と,東京からきたとか,その他いろいろな話をした (もちろん英語で). そして,TukTuk でアンコール・ワットのいりぐちまでいく. この運転手も英語はよくできる. なかへはのりものははいれないので,そこで待たせてなかをみる.
巨大な寺だ. このあたりのほとんどの写真は中央にむかってとっているのだが,門をくぐるとまた,はるかむこうに建物がみえてくる. 最近,北京にもいったが,故宮にも匹敵する感じだ. ポルポト時代などにこわされて残骸がのこったままになっているが,ここではかなりの部分は修復されている.
中央の建物にはいるまえに,すこし左側をみてきた. 比較的あたらしい建物や店などがある.
さらに,建物のなかは何重にも回廊がある. 回廊の壁や柱にもさまざまなものが彫られている. 壁にはすこしずつちがう絵がならんでいる. ストーリーがあるのだろうが,話はきかなかった.
壁の一部はひとびとがさわったからだろう,くろびかりしている.
建物のはいってすぐのところにある仏像のまえで急に男から線香をわたされて,7 礼するのだとか,いろいろいわれた. そして,20 ドルはらうようにいわれた. おどろいたことに,まえにいるひとたちはすなおに 20 ドルはらっている. 私はとても 20 ドルはらう気にはなれないので 5 ドルにしておいたが,それでも,はらってしまった. あとでかんがえると,このときは休憩中であり,寺の管理が手薄になっているときだったのだとおもう. そこで荒稼ぎしていたのだろう. まもなくその男はいなくなったようだ. つぎの写真はその場所をあとから撮影したものだ.
つぎのいくつかの写真は回廊のあいだをうつしたものだ. ここにも残骸がころがっているが,そのうえに石が積まれている.
内側の建物は階段でのぼるようになっていて,そこから周囲をみることができる.
回廊にはちいさな仏像がたくさんあるが,首がおとされているものが多い.
柱にも壁にも,ところどころ,穴があいている. 銃弾をうちこまれたあとだろう.
ひろい回廊をずっとあるいていると,しかも外側から内側,そしてまた外側と,回廊をうつりながらあるいていると,どこをあるいているのか,わからなくなってくる.
ようやくもとの場所までもどってきて,TukTuk がいるところにむかった. すでに 2 時間ちかくたっていて,一番奥になっていた.
つぎはアンコール・トムをめざす. TukTuk でしばらくいくと,まず南門にいきつく.
道の両側に像がならびたっているが,ところどころ頭や顔がなくなったものがあり,修復されている.
アンコール・ワットがひとつの寺院であるのに対して,ここは王宮のあとがあり,そのそばに,もっとちいさな寺院などがあつまっている. まずは中心にあるプラサット・ベイヨンをみる.
多数の塔にはそれぞれ仏の顔がえがかれている. ここはアンコール・ワットよりいたみがはげしいようだ.
アンコール・ワットよりははるかに小規模だが,それでも回廊をまわっているうちに方向がわからなくなってくる. 反対側にぬけて外をあるいていたが,気づいてふたたび寺をとおって反対側にでた.
プラサット・ベイヨンから北へむかう. いくつかの比較的あたらしい仏像がある.
プラサット・ベイヨンの北西にある寺跡にもすこしのぼってみたが,時間をつかいすぎないようにするため,上まではいかなかった.
そこからおりて門のようなところにいくと,こどもが何人もいる. そのなかのひとりにはなしかけられた. そこでも東京からきたというようなことを話したが,話しながら寺や王宮跡にいき,いろいろ説明をしてくれる. かせぎたいのだということはわかったが,やがて,高校生なのだが父母がなくて孤児院にいて,大学にいくには教師に (学費を?) はらわなくてはならないという話をはじめる. どこまでほんとうなのかわからないが,周辺ではたらいているひとと話をしていたので,すくなくとも彼らからは認知されているのだろう.
最後に学費として 20 ドルの寄付をしつこく,もとめられた. 最初は 1 ドル札を何枚かみせたが,それでは納得しない. 10 ドル札をもっていたらそれにしただろうが,なかったのでやむなく紙に署名し 20 ドルという金額を書いて 20 ドル札をわたした. さらにチップをくれといわれたが,それははらわずにわかれた. これは不正行為ではないのだろうが,やはり荒稼ぎだ. さっきは 5 ドル札をもっていたのでおさえられたが,今度は適当な紙幣をもっていなかったので,ふんだくられてしまった.
さらにしばらく観光して,ようやく,ひろばにでた. しかし,あまりにひろいので,とまっている TukTuk の数はすくないのに,さっきの TukTuk 屋をなかなかみつけられなかった. ようやくみつけて,ホテルまでおくってもらって 15 ドルはらった. その TukTuk であすは昼からまた寺めぐりをして,そのあと空港までおくってもらうことにしたが,これも (言い値は 20 ドルだったが) あわせて 15 ドルということにしてもらった. TukTuk 屋も 2 日つづけて 15 ドルはいればウハウハなのだとおもうが,こちらは荒稼ぎではなくて,もっとまじめなかせぎかただ.
いずれにしても,学会のあいだはほとんどカネはかからなかったが,きょうはサイフからどんどん (夕食分までいれると 90 ドル以上) でていった. だぶっていたレセプションとバンケットのチケット代は 100 ドル札の現金でかえしてもらっていたので,それをホテルのしはらいにあてようとかんがえていたが,できなくなった.
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