ここ数年,工学院大学の 2 部で「コンピュータネットワーク」という講義をしている. 最近はイーサネットの重要性がたかまっているとおもうので,学生にスイッチの動作を理解してもらうためにシミュレータをつくった. そして,それについての論文を書いて ICOIN 2015 という学会に投稿し,口頭発表ではなくポスターを展示してきた. ポスターとしてしか受理されなかったのは評価がひくかったからだが,展示をみにきたひとのなかにはこの内容に好意的なひとも何人かいた.
ネットワークのシミュレータは多数あるが,イーサネット・スイッチの動作を教育・学習するのに適切なものはみつけられなかった. そこで,まったくあらたなシミュレータを自作した (シミュレータのプログラム). そして,論文を書くにあたっては一応そのシミュレータを評価した. 講義している学生の数がすくないので統計的に意味のある結果はだせないが,一応,効果があるらしいという結果はでている.
ネットワークの学会でうけいれられてよい内容だといまでもかんがえているのだが,3 人の査読者の評価はいずれもよくなかった. あたっている部分もあるが,既存のシミュレータを利用せずにつくったことは評価をさげる方向にしかはたらいていないようだ. ほんとうは ns3 などの既存のシミュレータでつくるのとどれだけちがうかを評価できればよかったのだろうが,そこまではできなかった.
しかし,ここではポスターの 1 枚めをはっているときから好意的な意見をのべてくれるひともいて,ありがたい. じっくり私の話をきいて,パブリック・ドメインにしているシミュレータの URL まできいてくるひともいた.
右下の写真は周辺までうつしているが,ついたての裏面にはべつのポスターがはってある. 下には MacBook がおいてあるが,これでシミュレータの動作をみせようとした. しかし,電源がちかくにない状態でつかっていると,シミュレータが途中でとまってしまって,うまくデモできなかった. ふたたびこういうデモをするときには,すこしかんがえなければならない.
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