国際会議に投稿したのとおなじ論文をオープン・アクセス・ジャーナルに投稿しようとして,それらがまったくおなじだとうけいれられないということに気がついた. 従来の (紙の) 論文誌ならゆるされることだとかんがえていたが,WWW で論文がアクセスできるようになった時代には,それとはちがった倫理基準が適用されているようだ.
Committee on Publication Ethics (COPE) という組織が投稿する論文投稿の倫理は論文のオリジナリティに関してきびしい. 完全なオリジナリティを要求しているようにも読める. それに対してオープン・アクセス・ジャーナルや学会の Web サイトでは論文の文章のうち 30% が新規であることをもとめているところが多い.
これらのサイトの基準は COPE の基準よりはゆるいようにもみえる. しかし,国際会議と論文誌とでほぼおなじ論文を投稿できるとかんがえていた私にとっては,かなりきびしい. Google で検索していろいろな Web サイトをみた結果の結論は,現在では会議と論文誌とでもおなじ論文を投稿するべきでないということだ. ちょっとした訂正や追記だけでも改訂版をだす価値はあるとおもうのだが,それでは論文誌への投稿には値しないということだ.
既存の論文を 2 つあわせればもとのどちらの論文とくらべても 30% 以上はちがう論文にすることができるから,それはゆるされるとかんがえられる. しかし,論文をマージするのはかならずしも容易でない. すこし加筆して論文誌に投稿しようとかんがえていた論文も,30% かえるのはやはりかならずしも容易でない. しかし,どちらについても,上記の結論をえたからには,やらざるをえない.