会社でずっと課長相当職 (主任研究員) をつとめてきた. 世間では課長は部長からいわれた仕事をするだけだとおもわれているようにみえるが,仕事や予算を確保するのは課長の仕事だ. うまく仕事を確保することができれば,自分がやりたい仕事をすることができる. バブル時代にはそれは比較的容易なことだったが,当節,なかなかおもうような仕事を確保することができない. そういうときには部長のおせわになるのだが,うまくいっているあいだは,すくなくとも私にとって部長はむしろじゃまばかりする存在だった.
課長相当職にあるものが自分でうまく仕事を確保できないときには,部長がそのやくわりをになうことになる. 自分で会社を経営している場合,あるいは個人で仕事をしている場合には,仕事を確保することができなければ,即,倒産あるいは失業の危機をむかえることになる. 会社づとめをしているとよいのは (よいことばかりではないが),自分で仕事をみつけられなくても部長がなんとかしてくれるので (あるいはヒラ社員なら課長がなんとかしてくれるので) 失業しなくてすむことだ. (ただし,部長にも仕事がみつけられなければ,くびをきられることもある. 私がつとめている会社では,いまでもほとんどないことだが…).
これまでの経験では,自分で仕事を確保できているあいだ,あるいは,部長がみつけてきた仕事でもそれがうまくいっているあいだは,部長はじゃまな存在でしかなかった. やりたいことがうまくいかないときに部長がたすけてくれたという記憶はほとんどない. 部長にやりたいことをじゃまされることのほうが圧倒的に多い. じゃまするのはチェックにひっかかったということであり,ときにはほんとうに,自分がやりたいとおりにやっていると問題がおこっていたということもある. しかし,たいていは問題がないのにとめられる,あるいはチェックのために時間をとられるということだ.