3D らせん印刷で中空球や地球儀を印刷するとき,北極と南極の部分が白濁しやすい. 原因はいまだよくわからないのだが,対策はある程度わかってきた.
ある種の印刷条件のもとで白濁がおこる. 印刷しながらちかづいてみていると,フィラメントがまっすぐ射出されずに,にょろにょろとでる. 拡大してみてみると,フィラメントがこまかくきれて,ほそい水滴のような (あるいは,なみだのような) かたちをしている. 推定できることは,フィラメントの射出速度よりヘッドの移動速度がおそいために,フィラメントがあまって,まっすぐ固定されないということだ. しかし,どうもそんなにかんたんなことではないようにみえる.
白濁がおこったとき,可能な対策のひとつは印刷速度をあげることだ. 赤道の印刷速度はかえずに極の印刷速度をあげる. 中空球の印刷パラメタのなかにはそれを制御するもの (vcfac) があるので,それを変更する. それによって解決するから,「フィラメントの射出速度よりヘッドの移動速度がおそい」 という推定とあっている. しかし,印刷速度をあげると印刷されたフィラメントがひえないうちにつぎのフィラメントをかさねることになるので,印刷精度が低下しやすい. プリント・ベッドの温度がたかいときには南極の印刷で問題がおこりやすくなる.
もうひとつの対策はフィラメントの射出速度をふやすことだ. しかし,この方法はいつもうまくいくとはかぎらないようにみえる.
さらにべつの方法はヘッドの温度をさげることだ. 200℃ で白濁せずに印刷できているときに,べつの事象の対策として温度を 210℃ にあげた. その結果,ひどい白濁が生じた. もともと 210℃ で白濁が生じているときに 200℃ にすれば解決されたことになる.
しかし,どの方法も副作用があるので,白濁の解決は容易でない.