オバマ大統領の広島訪問は日本ではおおくのひとの感動をもってうけとめられたといってよいだろう. 批判的な意見はすくないようにみえる. サミットの成功とともに,これは外務省の勝利といえるだろう. 2009 年,オバマがノーベル賞をもらった年の洞爺湖サミットのときから日本は広島訪問の打診をうけていたというが,それを日本でのつぎのサミットまで延期することで成功確率をたかめたのだろう.
伊勢志摩サミットでは夕食メニューなどでも外務省が気をくばって賞賛をえたということだが,サミットだけでなくオバマ大統領の広島訪問でも外務省の 7 年ごしの戦略が味をむすんだようだ. Google で 「オバマ 広島 外務省」 と検索してみると,おどろいたことに最近の外務省の記事をのぞけば,トップ数件のなかに登場するのは今年の記事ではなくて,2011 年や 2015 年の記事だ (「外務省事務次官のオバマ広島訪問に関する発言 (ウィキリークス公開電報)」,「オバマ大統領の広島訪問と原爆投下への謝罪を断った外務省 - ウィキリークスより」). ウィキリークスによれば 2009 年のサミットの際に外務省がオバマの広島訪問をことわったのだという. そのとき訪問していればどうなっていたのかはわからないが,外務省はすくなくとも 7 年後の訪問を実現させることでそれを成功にみちびいたということがいえるだろう. (写真は毎日新聞からの借用)