3D プリンタでらせんをつくるのに,いまのところは線分をつないでつくっている. この方法では精度がひくくてみばえがわるくなるので線分のかわりに弧をつかいたい. 3D プリンタ用のファームウェアのおおくで G2, G3 という弧をえがくコマンドをサポートしていることがわかった. これがつかえるとよいのだが,これらのファームウェアでは水平な弧しかえがけないので,立体らせんをつくるにはつかえない. やはりファームウェアをかきかえることが必要だ.
以前に調査したときには,弧をえがくためのコマンド G2, G3 は 3D プリンタには実装されていないと理解した. しかし,今回しらべてみると,これらを実装していないファームウェアもあるが,おおくのファームウェアにおいては実装している. なんと,3 年前に Rostock MAX にのせたファームウェア (Repetier) にもこれらのコマンドが実装されているらしいことがわかった.
あらたにくみたてた AnyCubic Kossel にも Repetier のファームウェアをのせたので,それで G2 コマンドをためしてみた. G2 コマンド 1 個だけで円をえがくことができた.
G2 をつかって円筒 (立体らせん) をかくとどうなるか,ためしてみた. まずは円をかさねて円筒にしてみる. 予想どおり,円のつぎめにすじがはいる. これを軽減するために,円を 4 分割してみた. しかし,4 個もつぎめができて,かえってみっともない. やはり,つぎめをなくすには水平でない弧がかける必要がある. フライス盤などでは必須の機能だが,3D プリンタでは通常は必要ないので実装されていない.
AnyCubic Kossel にのせるファームウェアとしては,Repetier 以外に Marlin と RepRap を候補とした. これらはどちらも G2, G3 を実装しているが,Marlin ではデルタ型プリンタに対しては G2, G3 をサポートしていないという. Marlin をあきらめたのはべつの理由だが,Repetier をえらんだおかげで G2, G3 をつかうことができる. これらの実装にすこし手をいれれば立体らせんをえがくのにもつかえるかもしれない.