突然わきおこった衆議院解散,そして希望の党の結党と小池東京都知事の代表就任,立憲民主党の結党,そして選挙と,めまぐるしい政局だった. 希望の党は注目と期待をあつめ,小池代表の「排除」発言で期待がしぼんだというが,冷静にかんがえればもともとそんなにおおきな勢力にはなりえなかったし,そこからそんなにおおきく減ったわけでもないとおもう. マスコミが劇場に仕立てていただけなのだとおもえる.
小池代表はもともと自民党員であり,保守の立場であることをあきらかにしていた. 「排除」発言があろうとなかろうと民進党のリベラル派が全員,希望の党にはいるまたは協力することはありえなかっただろう. 希望の党の支持率はさわぎのまえから 10% 未満だったから,大量当選する状況ではなかった. また,希望の党ができることで野党がまとまることはもともとありえなかったのだから,自民党批判票が分散して小選挙区では自民党に有利なのはあきらかなことだ. 比例代表ではうまくいけば当選者をふやせたかもしれないが,たかがしれている.
それなのに,マスコミは当初,希望の党が自民党より議席をとれるかのようないいかたをしていた. それが,「排除」発言以降は急に「失速した」というような表現をつかいはじめた. 劇場型 (というより激情型?) の報道で,劇がすきな国民もだまされてきた. そうやって国民を政治にひきつけても,選挙がおわればのこるものはたいしてない.
国民をだましたのはマスコミだが,マスコミを利用してきた小池百合子がマスコミをだましてきたともいえるかもしれない. 「排除」発言でだませなくなったのだとしたら,それはやはり小池の失敗なのだろう.