Uber の自動運転車が事故をおこし,歩行者が死亡した. この事故のあと,Uber は自動運転の実験を一時停止した. 自動運転が実験でなく実使用されるようになったとしても,このような自動運転車の一斉停止は発生するだろう. そして,それが自動運転を不便なものにし,普及をさまたげることになるのではないか?
自動運転の技術がすすんでも事故を 0 にすることはできず,それが自動運転車の一斉停止をひきおこすだろう. 人間が運転しているのであれば,運転者が事故をひきおこしたときにはその運転者だけが運転を停止すればよい. ところが,自動運転車の場合はおなじ運転者 (AI) が多数のくるまを同時に運転することになる. 事故が発生すると,その原因がつきとめられるまでその運転者のくるまはすべて運用停止になるだろう.
こうした自動運転車の一斉停止が自動運転を不便なものにし,普及をさまたげるだろう. たとえ人間より AI のほうが安全に運転できるとしても,事故の原因がわかるまで一斉停止が発生する. 事故の原因がわかり運用が再開されるまで,同種の自動運転車の利用者は不安を感じることになる. 不安は異種の自動運転車の利用者にもひろがる. そして,場合によってはせまい範囲ですむことになるかもしれないが,場合によっては広範な一斉停止が発生し,不安を感じていない利用者,事故とは関係ない利用者まで不便をしいられることになる. 一斉停止時には手動運転にきりかえる必要も生じて,慣れない手動運転をせざるをえなくなるだろう. 運転者はいつも手動運転しているなら感じずにすむ緊張や不安を感じることになる. 自動運転の利用をやめようとおもうひともでてくるのではないだろうか?