大学院在学時におなじ研究室 (和田英一研究室) に所属していた早稲田大学の上田和紀教授からの依頼で,きょう,螺旋 3D 印刷を紹介してきた. 昨年 6 月に情報処理学会誌に論文を書いて以来,学会発表も論文も書いていなかったので,スライドの大半の部分はあらたに書きおこしたものだ. しかし,半月後には「プラスチックス」という雑誌に記事を書くことになっているので,そのストーリーをかんがえるのといっしょにスライドをかんがえた. 例によって 3D プリンタをもちこんでデモもしたが,これはそれほど効果的ではなかったようだ.
時間は 45 分くらいと指定されていたが,スライドは全 41 ページで,短時間で説明できるページが多いものの,やや多すぎた.
スライドのなかには地球儀を印刷するビデオもいれたつもりだったが,それを再生しようとしてもできなかった. おなじビデオは PC にはいっていたが,それをさがして再生することまではしなかった. そのために地球儀のつくりかたがすぐに理解できなかったひともいたようであり,悔いがのこる.
おもなテーマは螺旋 3D 印刷による多様な形状の生成と微細なテクスチャや模様の生成だ. そのうち螺旋 3D 印刷による形状のつくりかたは,これまでもしばしば学会等で発表し論文にも書いてきた. しかし,今回はそれにくわえて印刷物の表面にテクスチャや模様をえがく方法,それによって従来のガラスやプラスティックではつくれない微細なテクスチャや模様がえがけることを強調した.
また,「アジャイル開発」つまり (2〜3時間というような) 短周期でデザインと造形とをくりかえしながらデザインを完成させていく方法や,アジャイル開発にもとづくデザイナやユーザとのコラボレーションの実践についてもふれた.
このようにいろいろなことにふれたうえ,しゃべる予定でなかったことまでしゃべってしまった. ひとが話をしている時間はながく感じるが,自分がしゃべっていると時間をみじかく感じる. そういうわけですこし話がながくなりすぎて,せっかくもっていった 3D プリンタでデモする時間はほとんどなくなってしまった. デモにもっと興味をもってもらえればそれにもっと時間をさくべきだっただろうが,3D 印刷についてよく知っているひとたちには,実物でデモしなくてもビデオだけで十分だったのかもしれない.