天皇が交代して元号がかわり,平成から令和になった. 日本の社会や経済がそれによって影響をうけることはたしかだが,世界への影響はかぎられている. それなのになぜ日本人は元号と時代をむすびつけたがるのか? とくに,まだどうなるかわからない「令和」に「時代」をつけたがるのか? 私にはよくわからない.
テレビでは平成の 30 年間をふりかえる番組が多かった. 天皇や皇室の 30 年間をふりかえるのはもっともだが,政治や経済の 30 年間をふりかえるのはどうしてだろう. そういう番組をみると,たしかに平成の最初の 10 年くらいは自動改札など,日本が技術で世界をリードしていた. 日本が時代をつくっていたかもしれないとおもう. しかし,その後の話題は Windows 95,iPod と iPhone つまり Apple,そして Google など,おもにアメリカからきたものだ. 海外からの影響がつよい経済や社会を「平成時代」で区分するのが適当だとはおもわれない.
テレビ番組でとりあげられていたアメリカのテレビニュースではこの「時代」ということばを Emperor Era と訳していた. 単に era と訳すのは違和感があるからだろう.
キーワード: