通常,螺旋 3D 印刷の技術的な話題はこのブログに書いている. しかし,氷柱形 LED キャンドルに関してはデイシンの店の顧客も興味をもつのではないかとかんがえて,ショップ・ブログに記事を書いた. ここにも引用しておくことにする.
デイシンの店では氷柱型 LED キャンドルを販売しています. 本物の氷柱とはだいぶちがいますが,螺旋 3D 印刷でつくった氷柱のようなかたちにいろいろな模様をつけて,LED キャンドルの光で美しくかがやくようにしています. このかたちをどうやってつくるのかを,かんたんに解説してみます.
螺旋 3D 印刷のためのモデリングにはたいてい「3 つの波の合成」という方法を使用しています. この方法では,まず基本のかたちとして球または円筒を使用しますが, 氷柱の場合は円筒 (フィラメントを螺旋状につみかさねたかたち.左下の図) を使用します.
円筒から氷柱をつくるには,まずこれをとがったかたちに変形することをかんがえます. 円筒にゆるい縦方向の波をかさねると中央下のようなかたちがつくれます (2020-3-5 用語訂正). これにこまかい波をかさねて,一部をきりとると右下のような氷柱がつくれます.
よくみると氷柱の一番下の部分はなめらかなかたちになっています. LED キャンドルがはめこめるように,この部分だけ変形させています. この図では断面が円筒になるようにしています (いわば,波をかさねるまえのかたちにもどしています) が,これではキャンドルをはめこんだときにひびがはいりやすいので,最近はもうすこしくふうをかさねています.
ここでいう「くふう」について,すこし書きたしておこう. 氷柱の断面が円形だと,円形のキャンドルをはめこんだときにきっちりあわないとぬけてしまう. そのためにきつくすると,すこしちからをかけすぎただけで,ひびがはいりがちだ. 断面を多角形にすることで,この問題をさけることができる. さらに,キャンドルには 8 角形にちかいものもあるので,断面をすこし 8 角形にちかづけると,どちらのキャンドルもうまくはめこめるようにできる. そういうわけで,この「はめこみ」に 8 サイクルの横方向の波をすこしだけいれている.