螺旋 3D 印刷のためのデザイン・モデルとして「波のモデル」をつかっている. この波のモデルでは複数の波をくみあわせてモデルをつくるが,そのひとつのつよみは,ひとつの波のくみあわせをいろいろつかいまわすことができることだ. かたちやサイズをかえても,波のモデルそのものはかえずに,同様のパターンをもつ立体をつくりだすことができる.
たとえば,最初につくるのが半球だったり,みじかい筒状の立体だったりしたとしよう. その半球がうまくいったら,おなじ波のくみあわせから球体つまり全球をつくるには底面のたかさを 0 に変更するだけでよい. また,みじかい筒がうまくいったら,やはりその波のくみあわせからもっと長い筒をつくることができる. やはり,たかさという 1 個の数値をかえるだけでよい.
筒形から球形に,あるいは球形から筒形にかえるときは,すこし慎重にやる必要がある. 単純な筒形からグラスのように上がひらいたかたちにするときなども同様だ. しかし,それらもだいたい可能だ. 一番かんたんな場合には形のパラメタを “cylinder” から “sphere” に,あるいはその逆に変更するだけでよい.
サイズやかたちをかえたときに一番,印象がかわりやすいのは vibrato つまりフィラメントを上下にうねらせてつくる波だ. 上下の変位を一定にしたままサイズをおおきくすると,うねりのおおきさの印象はよわくなってしまう (左下の図). しかし,サイズに比例してうねりをおおきくすると (右下の図),場合によっては,あながあいてしまう. そのため,くふうが必要だ. 印象をたもつには波の周波数をかえる必要もでてくる. しかし,逆に最初におおきなものをつくった場合には,波の振幅をちいさくするだけでだいたいおもいどおりになる.
波のモデルのデザイン・インタフェースを改善することで,このような波のモデルの利点を最大限いかせるようにしていきたい. つまり,現在の設計インタフェースはとくに vibrato に関しては最適ではない. そこで,それを改善していくことでよりよいものにし,波のモデルをいかした螺旋 3D 印刷がより容易にできるようにしたい.
追記 (2020-11-25): 「波のモデル」ということばは漠然としすぎているので,「波合成モデル」とよぶことにした.