いいたいことがいえない息苦しい雰囲気がひろがっているようにおもえてならない. 若者のあいだにもある「空気」にさからえないこともそのひとつだが,「表現の不自由展」の中止からもそれが感じられる. それは戦前の日本をおおっていた雰囲気にちかいものであるようにおもえる. 山本七平が「空気の研究」という本を書いているが,戦前からあった「空気にさからえない」日本人の特質はいまの若いひとでも,すこしもかわっていないようにおもえる. 反戦のために自民党政権を批判するひとはおおいが,本当に問題なのは現在や過去の政府でも陸軍でもなく,「空気」にのまれる国民であり,「空気」にのまれずに冷静に判断できること,「空気」に抗することができることが重要だとおもえる.
この件に関して描きたいことはもっといろいろあるはずなのだが,どうもうまく書けない. 警句的なメッセージにとどめておくことにする.
2019-8-18 追記:
ほんとうは書くべきことがいろいろあるのはすでに書いたとおりだが,ひとつだけ追記しておく.
若者が「空気」ということばをつかうのはリアルな場面だとおもうが,もっと問題なのはいうまでもなくネットだ.
SNS などで特定の範囲の意見ばかりを目にすることが,「表現の不自由展」でも炎上つまり抗議の電話殺到につながったのではないかとかんがえられる.
ネット上での炎上は比較的せまい空間でおこるが,それがリアルにひろがると,ひろい範囲に影響をあたえかねない.
こういう問題をなんとかしなければ,戦争というかたちだとはかぎらないが,戦前におこったのに似た問題がおこりうるようにおもえる.