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DIY (日曜大工) とものづくり・実験:3 次元印刷 (3D printing)・CAD

ドキュメントの不備などで時間がかかった 7 台めのデルタ形 3D プリンタくみたて

Prusa 風の A8 プリンタもくみたておわっていないのだが,HE3D K200 というデルタ形プリンタを買ったので,それをくみたてた. ドキュメントが非常によわいのが弱点だ. そのために,ただしくないくみたてをした部分もあり,調整にとてもてまどってしまった. たぶん,あとはすみやかにすすむだろうが,おなじプリンタをふたたび買うことはない.

A8 は XYZ 形のプリンタが螺旋 3D 印刷に向かないことを実証するためにくみたてているから,製品をつくるのには使用しない予定だ. 使用可能なデルタ形プリンタをふやすため,AnyCubic 以外のキットのひとつとして HE3D をためしたということだ.

すでに 2 台買った AnyCubic Linear+ はあらかじめかなりの部分がくみたてられているので短時間でくみたてられる. しかし,HE3D K200 はそうなってはいない. AnyCubic でも旧型の Kossel は同様だった.

デルタ形プリンタのホットエンドは 6 本のロッドで支持されている (つまり,パラレルリンク機構になっている) が,K200 ではここに金属製 (ステンレス?) のロッド (左下の写真) を使用している. ホットエンドはできるだけ軽量にしたいので,このロッドを炭素繊維製のものと交換した. また,ヒートシンク (右下の写真) もおもい金属 (鉄?) でできているので,これもアルミ製のものと交換した (3 番めの写真).

2019-11-10-14.40.32.jpg 2019-11-10-14.39.15.jpg

2019-11-10-14.45.54.jpg

プーリの圧力を調整するためのしかけは AnyCubic とはちがっていて,Rostock MAX にちかい. Rostock MAX では木の板に 4 個のプーリをとりつけて,そのうち 2 個は軸がすこし移動することでテンションが調整できるようになっている. K200 では木でなくプラスティツクの板を使用するが,しかけはほぼおなじだ (下の写真).

2019-11-10-14.48.00.jpg

End stop スイッチからの配線は通常はアルミ・フレームの中央の穴をとおすのだが,スイッチとコネクタがあらかじめ結線されているので,そのちいさな穴はとおらない. 最初はフレームの外側で配線しようとしたが,それでは配線距離がながくなるのでボードのコネクタにとどきにくい. フレームの内側に配線してカバーをつけるようになっているのだということが,配線をしている途中でわかった. しかし,全部やりなおすには,すでにとりつけたスライダからプーリをはずさなければならない. そのため,1/3 はためしにやりなおしてみたが,ほかはやりなおしていない. 下の写真のうち左は「ただしくない」方法,右はただしい方法でとりつけたものだ.

2019-11-10-14.50.54.jpg 2019-11-10-14.51.23.jpg

基板は独自のものを使用しているようだが,これが一番くせものだった. くみたておわって,これまで使用してきた Repetier のファームウェアをのせてみたのだが,ヘッドがただしくうごかない.

2019-11-10-14.44.27.jpg 2019-11-10-14.44.57.jpg

ファームウェアをいろいろかきかえてためし,ネットでいろいろしらべているうちに,動作方向が逆であることがわかった. これは,つぎのパラメタをかきかえることで修正できる.

#define ENDSTOP_X_MIN_INVERTING true
#define ENDSTOP_Y_MIN_INVERTING true
#define ENDSTOP_Z_MIN_INVERTING true
#define ENDSTOP_X_MAX_INVERTING true
#define ENDSTOP_Y_MAX_INVERTING true
#define ENDSTOP_Z_MAX_INVERTING true
// これらのもとの値は false.

#define INVERT_X_DIR 0
#define INVERT_Y_DIR 0
#define INVERT_Z_DIR 0
// これらのもとの値は 1.

ところが,この修正をしても end stop スイッチがただしくはたらかず,スライダがスイッチにぶつかってもとまらない. ファームウェアをいろいろかきかえてためしてみたが,うまくいかなかった. ネットをしらべると Repetier ではどうしてもうまくいかなかったという話もあって,あきらめようかともおもった.

しかし,ヘッドをホームポジションにもどす動作を観察しているうちに,Y 軸だけはただしく動作することがわかった. プログラム上は X と Y は対称になっているので,これはやはりハードウェアの問題だとかんがえられる. そこでおもいついたのは,X 軸と Z 軸の end stop スイッチが逆に配線されているのではないかということだ. 逆に配線してみると,ちゃんと動作した. どうやら,いろいろためしているうちにドライバの X と Z とをいれかえて,そのままわすれていたようだ. ボードの仕様として動作方向が逆だとわかるまでにも時間をつかってしまったが, いれかわっているのに気づかなかったために 2 時間くらい時間をむだにしてしまった.

2019-11-10-14.49.33part.jpg

結論としては,今後の増設の際にこのプリンタをつかうべきではないと判断した. AnyCubic とちがってゼロからくみたてなければならないために時間がかかるが,AnyCubic 以外のプリンタはどれでもそうだろうから,それはやむをえない. しかし,ロッドやヒートシンクを交換しなければならないので余計な出費が必要になる. さらに,基板が Mega 2560 + RAMPS 1.4 と互換でないのはやっかいだ. 基板の交換が必要になったときに,おなじ基板が入手できる保証がない. このプリンタ自体 (Kossel 7) はもうすこし調整すれば当分つかえるとおもうが,おなじものをふたたび買うかというと,no だ. いまもう 1 種べつのプリンタを発注しているので,それが増設につかえることを期待したい.

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