デジタル版の新聞を読む読み方として一般的なのは，トップページからいくつかの記事をみることだろう． 私も最初はそうしていた． しかし，いまでは日々の記事は基本的に「紙面ビュアー」で読み，より深く掘るときに個々の記事のページをみていくやりかたをしている． こうすることでその新聞社なりの日々のニュースのバランスを知ることができると同時に，Web でみつけにくい知識をえることができる．
ずっと紙で購読 (サブスクライブ) してきた朝日新聞をデジタル版にきりかえて 1 年がすぎた． そのまえから紙より Web でみることが多かったのだが，デジタル版は購読していなかったから，デジタル版でみられない記事は紙でみなければならず，不便だった． 紙の新聞がほとんど「新聞紙」としてしか役立っておらず無駄だったということもあるので，そこでキャンペーンに乗じて紙からデジタル版にきりかえた． 朝日新聞をえらんだのはこれまで購読してきたということもあるが，アクセスしやすいデジタル版をつくっているのは朝日と日経だけだと感じていたからだ． 日経にしなかったのは記事のバランスの問題と，日経にすると新聞だけでなく雑誌などもあわせて購読しないと必要な情報がみられないように感じたからだ． 日経に関しては新聞，日経ビジネスを中心に，無料でみられるところだけをみている．
最初はそれまでと同様に新聞社のホームページを中心にみていた． しかし，しばらくすると，それではニュースをバランスよくみることができないことに気づき，紙面をデジタル版で，つまり紙面ビュアーでみるようになった． 新聞社はホームページでも記事をバランスよく配置するようにしているのだろうが，スマホはもちろんパソコンでも画面に表示できる情報はかぎられているから，ニュースを俯瞰的にみるのは困難だ． 新聞の紙面がおおきいのは，ニュースを俯瞰するにはひろいスペースが必要だからだろう． 紙面ビュアーをつかえば，パソコンでもスマホでも紙面をズームしながらみることで，俯瞰しつつ個々の記事の内容をみていくことができる． ただし，いまの朝日の紙面ビュアーはとくにパソコン版のインタフェースは非常につかいにくい． ほとんどの時間ドラッグする (つまりマウスやトラックパッドをおさえこんでいる) 必要があるし，失敗すると (つまりそれらをはなして移動すると) 文字が不必要に拡大・縮小されてしまう． こんなひどいインタフェースが改善されないのは新聞が過渡期にあるからだとおもうが，はやく改善されることを期待したい．
デジタル版のよいところは関連記事のリンクがすぐにたどれることだ． しかし，現在の紙面ビュアーではリンクがたどれないので，たどるには Web 版をつかわざるをえない． ここも過渡期であるための不便さなのだとおもう． テレビなどをみていて過去のニュースをみおとしていることに気づいたときなどは，Web 版で検索して記事をたどっていくことができる． Google で検索して必要な情報がえられることもあるが，ゴミばかりで必要な情報がみつけられないこともある． 新聞の検索ではみつけられないことももちろん多いが，ゴミにうもれていないことはありがたい．
