3D 印刷用のフィラメントのなかで,比較的最近登場した PMMA というのはアクリルの一種だが,それをためしてみた. アクリルはガラスより透明度がたかい魅力的なプラスティックだ. 透明度のたかいフィラメントをもとめつづけていてこのフィラメントをみつけたのだが,ちょっとためしてみたかぎりでは,うまくいかなかった.
まず PLA のための G-code を PMMA に適用してみたが,PLA とおなじ速度では形をなさなかった. 速度をおとし,温度もあげてみた. すると一応かたちはできた. しかし,表面はマットになり,透明感はえられなかった. また,フィラメントどうしがしっかり接着せず,ひっぱると容易にはがれた. ノズルの温度として 210〜240℃ くらいが指定されているが,260℃ くらいにして PLA の 2 倍くらい時間をかけて印刷してみても,かわらない. このくらいの速度ならファンの風をあてなくても造形できるが,そうしてみてもかわらない. まったく箸にも棒にもかからないようにみえる. PLA や PET-G での経験からすると,こうなるのは印刷温度がひくすぎるからだ. 270℃ 以上にすればうまくいくかもしれないが,PTFE を使用しているプリンタでその温度にするのは危険だから,ためせない.
All3DP では PMMA フィラメントについてまとめている. そこでは何種類かのフィラメントが Amazon で販売されていることになっている. リンクをたどると Amazon.co.jp にいくのだが,PMMA フィラメントは販売されていない. Amazon.com でさがしてみても,PMMA フィラメントはみつからない. PMMA フィラメントを販売していたが中止したと書いているページもみつかった. どうなっているのだろう.
追記:
ファンをとめたうえフィラメントがひえないうちに積層することで,フィラメントを接着させることができた.
しかし,常温では 1 秒くらいで積層しないと冷えて接着しなくなる.
安定的に印刷するにはプリントベッドを加熱するだけでなくてプリンタ内の空気を 100℃ くらいに加熱する必要があるとかんがえられる.
いまあるプリンタではプリントベッドの加熱もできないので,PMMA による印刷には適さないとかんがえられる.
しかも,こんなくふうをしてみてもフィラメントの表面はマットなままだとかんがえられる.
透明感のないアクリルなんて魅力がない.