2 年ほどまえから太陽電池で発電した電力をスマートテックという会社に売っている. スマートテックからは蓄電池を買うことをすすめられていたが,これまでは採算がとれないとかんがえてことわってきた. ところが,今年 6 月末には東京電力で電力不足になり,節電をもとめられたのをきっかけに,蓄電池の導入をかんがえはじめた. 今年,東京都から蓄電池に最大で 80 万円の助成金がもらえるということもわかって,蓄電池の種類によっては 20 年でもとがとれる計算になった. そこで,蓄電池を導入することにきめた.
我が家に蓄電池をいれようとおもったきっかけの電力不足,それがおこるのは昼間とくに夕方だ. 一般には蓄電池を導入する目的として太陽電池が発電した電力をためることが第一にかんがえられているが,電力不足対策としてはむしろ夜間電力をためて昼間につかうほうが効果的だ. それは,昼間のあいだは夕方でなくても電力不足がおこるからだ. 東京電力とは「電化上手」という新規には選択できないプランで契約しているのだが,このプランでは夜間電力がやすい (これまでは 12.48 円/kwh だったが最近 15.12 円/kwh になった) ので,それをためて昼間につかうことで電力不足対策になるだけでなく電気代も節約できる.
蓄電池の導入をかんがえはじめてから,最初は Tesla の蓄電池 Powerwall が容量のわりにやすいことを知った. 13.5 kw のシステム全体で 100 万円くらいだという. それに対して他社のシステム価格は名目上は 200 万円以上になっている. ところが,この蓄電池は東京都が要求する規格にあわず,助成金がうけられない. しかも,他社にくらべて耐用年数 (サイクル数) がかなりひくいようだ. また,みつもりをとってみると,なぜか工事費が非常にたかい. 他社はシステムの名目価格はたかいが実売価格はその半分以下のようだ. また,工事費は Tesla のよりずっと安い. そこで,ほかのメーカーからえらぶことにした.
Tesla 以外はメーカーによる価格差は比較的すくない. そこで数社からみつもりをとって,そのなかの 1 社をえらんだ. みつもったメーカーや機種はばらばらだが,きめたのは京セラの Enerezza だ. 他に比較したのはオムロン,ニチコンなどだ.
概算したところ電池容量が 10 kWh でも 16 kWh でも現在の電気料金のもとでは年間で 4 万円程度しか節約できないことがわかったので,10 kWh の電池を選択した. もとがとれるようにするには,機能も単純なほうがよい. 太陽光パネルから直接変換して電池につなぐハイブリッド型はコンディショナーの価格がたかいから,太陽光パネルから蓄電池に 2 台のコンディショナーを経由するのでやや効率はおちるが,安価な単機能型にした. また,停電時にすべてのコンセントに給電できる全負荷型ではなく,一部のコンセントだけに給電できる特定負荷型にした. 全負荷だと停電時だけ使用する配電盤をいれることになる. しかし,停電はめったにないことなので,特定負荷でよいだろう. これで工事費もいれて 170 万円くらい,都の助成金をひくと 90 万円なので,ほぼ 20 年でもとがとれることになる. 実際には電気料金は今後値上がりするから,もっと短期間でもとがとれるだろう.