1 年ぶりにオーケストラの演奏会に行った. 東京交響楽団をはじめてきいたのだが,指揮はジョナサン・ノット,曲目は新ウィーン楽派の曲 2 曲 (シェーンベルク,ウェーベルン) をふくむめずらしいプログラムだが,メインの曲はブルックナーの交響曲第 2 番だ. けっこう重い曲 3 曲をうまく演奏していた.
10 月にひとつ,夫婦でオーケストラのコンサートに行こうとおもった. 候補にあがったのは読売日響によるヴァレーズや一柳慧の曲の演奏会と,東京交響楽団による新ウィーン楽派とブルックナーの演奏会. 妻が後者をえらんだのだが,そのすぐあとに一柳が死んだというニュースをきいた.
東京交響楽団をきくのははじめてだ. しかも,シェーンベルクもウェーベルンも生できくのははじめてのようにおもう. 場所はサントリーホール,ここにいくのもひさしぶり,もしかしたら 10 年以上行っていない.
イギリス人指揮者のジョナサン・ノット,これまでレコードでもその演奏をきいたことはない. 曲目はシェーンベルクの「5 つの管弦楽曲」,ウェーベルンのパッサカリア,ブルックナーの交響曲第 2 番だ. プログラムには 1 枚の紙がはさんであって,ブルックナーの曲は指揮者の強い意向により第 2 楽章と第 3 楽章を通常と逆順 (スケルツォ,アンダンテの順) で演奏するという. この曲の最初の版はその順序だったという (が,演奏会では現在とおなじ順で演奏されたと書いてある Web ページもあった). うまく演奏していたとおもうが,聞いてもどちらの順がよいかはわからなかった.
シェーンベルクの 5 つの管弦楽曲は無調の曲だ. 1 曲めをきいたところでは,うまく演奏できるのかやや不安があったが,その後はうまくまとめていたとおもう. ウェーベルンのパッサカリアはまだ調性の時代のものだが,その後のウェーベルンの曲とはちがって表現主義的で,ここまで 2 曲きくだけでだいぶつかれた.
指揮者の登場の際に拍手するのは当然だが,コンサートマスターが登場する際にもおおきな拍手がおこっていた. この楽団をはじめてきいた者にはなぜこれほどの拍手がおこるのか,わからない. さらに,演奏会終了時には楽団員が去ったあとも拍手がつづき,指揮者がよびだされていた. コロナ禍でなかったら花束がわたされているところだろう.