エマヌエル・バッハの曲のなかにはバロック風の部分とロココ風 (ギャラント様式) の部分とが混在している. ときにはひとつの曲のなかにそれらが混在している.
エマヌエル・バッハ (C. P. E. バッハ) の出発点は父である大バッハのバロック風だっただろう. しかし,当時すでにロココ風あるいは前期古典派風が主流になっている. そういうなかで,彼はロココ風の主題による「多感様式」的な強弱やテンポの曲も書き,父であるバッハからうけついだようなジェントルな主題の曲も書いている. ただし,父のような対位法はつかわずに比較的薄い和声法をつかっている.
ときにはひとつの曲のなかにそれらが混在している. 第 1,3 楽章はロココ風かつ多感的だが,第 2 楽章はバロック風かつおちついた雰囲気だったりする. とはいえ,60 枚もある C. P. E. Bach Edition をきいている途中なので,まだどの曲がどうということまだは書けない.
キーワード: