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メディア・アート・イベント・エンターテイメント:音楽 (一般)

古典派の音楽はハイドンやモーツァルトだけで成立したのではない

古典派というとハイドンやモーツァルトが有名だが,彼らの音楽は彼らだけでなしとげたものではない. 彼らの音楽は多くの作曲家の努力が蓄積されたうえにあるのだ.

ハイドンは交響曲の父といわれているが,彼がつくったといわれている交響曲の形式のおおくは先人がつくったものだ. 交響曲の第 1 楽章にはソナタ形式がつかわれるが,G. B. サンマルティーニは第 1 楽章にソナタ形式をつかった 3 楽章の交響曲を多くのこしている. その 3 楽章の交響曲はシンフォニアといわれる,オペラの序曲を独立させたものだとかんがえられるが,オペラの序曲に 3 楽章形式をつかいはじめたのはアレッサンドロ・スカルラッティだといわれている.

ハイドンの交響曲はほとんど 4 楽章形式であり,その第 3 楽章には「メヌエットとトリオ」がつかわれている. この,メヌエットをつかった第 3 楽章をくわえたのはマンハイム楽派を創始したヨセフ・シュターミッツである. ハイドンは 100 曲以上の交響曲を書いたが,ヨセフ・シュターミッツをはじめとするマンハイム楽派の作曲家たちやサンマルティーニも数 10 曲の交響曲を書いている.

こうしてみると,交響曲に関するハイドンの功績はその形式を確立したことではなく,それを洗練した作品を多くのこしたことだとかんがえられる. また,作曲技法に関しては彼自身がエマヌエル・バッハからつよい影響をうけたといっている. ハイドンの具体的な功績はひとことではいえないようにおもう.

モーツァルトは交響曲,協奏曲,オペラ,そのほかさまざまなジャンルの作品をのこしているが,それらの多くは彼が 8 歳のときに父のレオボルドともに行ったロンドンで会ったクリスチャン・バッハから影響をうけている. モーツァルトの初期の交響曲はクリスチャン・バッハのつよい影響を受けていることはまちがいないし,ピアノ協奏曲のソナタ形式もクリスチャン・バッハとよく似ている. オペラに関してもバッハの家系のなかで唯一オペラを作曲したクリスチャン・バッハに影響されている.

音楽愛好家も研究者も特定の作曲家に注目しがちだが,彼らの成果はおおくの作曲家の努力が蓄積された結果としてえられたものである.

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