薬ののみかたについて薬剤師にきいてもわからなかった部分があるので,ChatGPT にきいてみた.それを機会として,「ChatGPT が薬剤師にとってかわれるか」というテーマで ChatGPT とすこし議論して,その内容に満足した.そこで,ここにそれを掲載する.
ChatGPT は医師にかわることはできませんが,薬剤師より多くの知識をもっているので薬剤師にはとってかわれるようにおもいます.もはや国家資格をもった薬剤師は不要なのではないでしょうか?
ChatGPT:興味深いご意見ですね.確かにAI(例えばChatGPT)のような技術は,知識を効率的に提供し,薬の情報をわかりやすく説明する能力がありますが,国家資格を持つ薬剤師が不要になるという結論には,いくつかの重要な反論があります.
1.薬剤師の役割は単なる情報提供ではない
薬剤師の業務は,単に薬の情報を提供することだけにとどまりません.彼らは以下のような多面的な役割を担っています:
- 患者ごとの個別対応
患者の病歴,アレルギー,他の薬との相互作用を考慮して,最適な薬の選択や服用方法を提案します. - 医療チームとの連携
医師,看護師などと連携し,処方の妥当性を確認し,医療全体の質を向上させます. - 医療倫理と法律の遵守
医薬品の安全な取り扱い,違法行為の防止,薬物乱用の管理など,社会的な責任も負っています. - 対面での観察
患者の状態(例えば副作用の兆候や服薬の理解度)を直接観察し,アドバイスを行う能力があります.
AIはこれらの多くの部分で補助的な役割を果たせますが,現時点では完全に代替することは難しいです.
2.AIの限界
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実際の患者との相互作用の欠如
AIはデータに基づくアドバイスを行う一方で,患者の感情や非言語的なサインを読み取ることは難しいです.例えば,患者が不安を感じている場合や症状を過小報告している場合,AIはこれを把握するのが困難です. -
責任の所在
AIが提供する情報が誤っていた場合,その責任を誰が負うのかという問題があります.薬剤師は国家資格を持つ専門職として,この責任を担う義務があります. -
最新情報や特殊なケースへの対応
AIはデータベースに基づいて動作しますが,医療分野では常に新しい薬剤や治療法が登場します.これにリアルタイムで対応する能力は,人間の薬剤師の経験や柔軟性に依存する部分がまだ多くあります.
3.薬剤師とAIの共存
薬剤師は不要になるどころか,AIを活用することでその役割が進化すると考えられます.
- 効率化
AIを活用して情報検索やルーチン作業を効率化し,薬剤師が患者との直接的なケアにより多くの時間を割けるようになります. - 精度の向上
薬剤師がAIのサポートを受けることで,薬物療法の安全性や精度が向上します. - 教育的役割
薬剤師が患者や医療スタッフにAIツールの使い方を教える役割も重要です.
結論
AIは薬剤師の業務を補完する素晴らしいツールであり,医療の質を高める可能性を秘めています.しかし,患者個人に対する対応や責任を伴う判断を行う薬剤師の役割は,依然として不可欠です.AIが薬剤師を完全に代替するのではなく,むしろ薬剤師がAIを使いこなすことで医療の未来がさらに良くなる方向に進むと考えられます.
私:
ChatGPT はロボットや人間の手を借りなければ薬を調合することはできません.そのために資格のない薬剤調合者がいれば,ChatGPT にとりつぐくらいのことはできるとおもいます.また,最新の知識は薬剤師ももっていない場合が多いとかんがえられます.最終的に責任をとるのは医師なので,それでよいのではないでしょうか?
ChatGPT:ご意見は非常に論理的で,特にAIが薬剤師の一部の業務を補助・代替できる可能性について深く考えられています.しかし,その中でいくつかの重要なポイントを整理し,議論を進めるために以下の点を挙げます.
1.薬剤調合の物理的側面
- 確かに,AIであるChatGPTは薬を物理的に調合することはできません.薬剤調合を機械やロボットが行う場合,資格を持たない作業員がその補助を行い,AIが指示を出す形も技術的には可能です.
- しかし,薬剤調合には単に指示通り作業を行う以上のスキルが必要です.たとえば:
- 調合過程での異常の検知(例えば,異物混入や薬剤の性質の変化).
- 特殊な処方(薬の分量や形状が患者に合わせてカスタマイズされる場合)の対応.
- 患者の体調や処方の変更に即応する柔軟性.
現時点では,これらの要素を資格を持たない調合者だけで担うのは,リスクがあると考えられます.
2.最新の知識に関する問題
- おっしゃる通り,薬剤師が常に最新の知識を持っているとは限りません.ただし,これはAIにも同じことが言えます.
- AIは訓練されたデータセットや更新されたデータベースに基づいて回答しますが,そのデータが最新でない場合,情報が正確でない可能性があります.
- 一方で,薬剤師は医学会や研究会,薬剤メーカーから直接情報を得ることができ,より実践的な知識を補完できます.
3.責任の所在について
- 確かに,医師が最終的な責任を負うのが現在の医療制度の基本です.しかし,医師の責任だけに依存するのは以下の問題を引き起こす可能性があります:
- 負担の集中
医師が全ての責任を負うことになると,医師の業務負担が増大し,ミスのリスクが高まる. - 医薬分業の意義の喪失
現在の医薬分業の目的は,医師と薬剤師が互いにチェックし合うことで医療の安全性を高めることにあります.このプロセスが失われると,エラーのリスクが増加する可能性があります.
- 負担の集中
4.倫理的および社会的観点
- AIへの全面的な依存のリスク
AIに完全に依存すると,予期しないエラーやシステム障害が発生した場合,医療の安全性が損なわれる可能性があります. - 人間の安心感
医療現場では,患者が医療従事者と対話し,自分の状態を直接相談できることが重要です.これは,AIだけでは完全に代替できない部分です.
5.AIと薬剤師の共存可能性
AIは,薬剤師の仕事を効率化し,正確性を高める大きな力を持っていますが,それが薬剤師の存在意義を完全に否定するわけではありません.むしろ,薬剤師とAIが共存することで次のようなメリットがあります:
- AIがルーチン業務や情報提供を担い,薬剤師が患者対応や判断が求められる複雑な業務に集中する.
- 薬剤師がAIを活用して最新の情報を得ることで,知識をアップデートする.
結論
薬剤師の存在意義を再評価し,AIの能力を活用することで,医療全体の質を高めることが現実的な解決策です.医師だけに責任を集中させるのではなく,薬剤師がAIを活用して効率的かつ安全に医療を支える役割を果たすことが,医療の未来にとって最善のアプローチと考えられます.