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セキュリティ・安全・安心と秘密・プライバシー保護アーカイブ

0001-01-01

tetu_bn_161.gif 書評・読書カテゴリーには私が Amazon や BK1 に投稿した書評や,本について書いた文章をあつめています. 以前はすべての書評をひとつのページにいれていましたが,書評の数がおおくなり,書評・読書カテゴリーのページがながくなりすぎたので,書評・読書カテゴリーを分割しました. 書評以外のカテゴリーにあわせて, DIY (日曜大工) とものづくりWeb とインターネットインタフェース,アメニティとデザインセキュリティ・安全・安心と秘密・プライバシー保護メディア・アート・イベント・エンターテイメント仕事と起業心理思想・哲学・宗教情報学・計算・プログラミング政治・法律・憲法教養・教育と学習歴史環境・エネルギー生活知的生産とリテラシー社会・経済言語・コミュニケーションとネットワーキング というように書評を細分するようにして,書評カテゴリーのページにはそれらに分類しづらいものをあつめました. なお,このページは各カテゴリーのページの先頭に表示されるように,意図的に投稿日時を 0001-01-01 00:00:00 としてあります (実際の投稿日時は 2007-11-03 10:39 です).

2007-12-31

東 浩紀 は 大澤 眞幸 との共著 「自由を考える」 (NHK 出版, 2003 年) のなかで 「規律訓練型権力」 と 「環境管理型権力」 について論じています. 「規律訓練型権力」 はもともとミシェル・フーコーが 「監獄の誕生」 (新潮社, 原著 1975 年) において論じているということですが,私自身はこの本を呼んではいません. 東の論旨は 「ポストモダン化」 によって 「規律訓練型権力」 によっては秩序を維持することができなくなり,「環境管理型権力」 がそれにかわって登場してきたが,そこにはいろいろ警戒すべき点があるということです. 「環境管理型権力」 は情報技術とくにセキュリティに関する技術を背景として登場してきているということなのですが,したがって,セキュリティ技術との関係を吟味する必要があります. このブログはこのような考察に適当な場所ではないとおもわれたので,「環境管理型アーキテクチャとセキュリティ管理」 において,環境管理とセキュリティ管理の技術との関係を論じています.

つづく…

2008-02-17

毒いりギョーザ問題については 「人々はなぜ毒入りギョーザをたべたのか?」 という項目にも書きました. なぜ毒物がいれられたのか,まだ原因はあきらかになっていません. そのため,国内では消費者が中国産品をさけて国産品にむかっていることが報道されています. しかし,ほんとうに国産品は中国産品とくらべて安全なのでしょうか?

つづく…

2008-03-05

2002 年に発行された本であり,それ以降に状況がかわった部分もある. しかし,「食の安全」 に関する基本はいまもかわっていないし,最近おこっている中国食品の安全の問題をかんがえるうえでも価値のある本だとおもう.

いまでも有効な指摘のひとつとして,「コンビニで買う中食などの画一化された味に慣らされてしまって,みな食品を識別する舌の間隔を失ってしまった」 というのがあるが,これは天洋食品の事件でも感じられることである. 無登録農薬がインターネットなどをつうじて日本に輸入されているという記述にも,もしかすると天洋食品の事件を解決するヒントになるかもしれないとおもえる. 「日本の野菜は,外観は見事だがだんだん個性がなくなった」 という指摘も,するどく問題をなげかけている.

一方で,2002 年当時とは状況がかわってきていることとして,魚の値段がさがりつづけて,国内では生産できなくなっているという指摘がある. 現在では魚の値段はあがってきている (こちらも中国の影響がおおきい) 一方で日本の人件費は円安などで相対的にさがっているのと国産指向とで,あるいは国内での魚の生産がうまくいくようになるのではないかという期待ももてる.

いろいろ,かんがえさせられる,興味ぶかい本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 食の世界にいま何がおきているか@ [bk1]食の世界にいま何がおきているか@Amazon.co.jp

つづく…

2008-03-19

“食の安全” にかかわる新書はほかにもあるが,これはもっともあたらしい 1 冊である. 最近は中国ばかりに目がいっているが,この本は日本こそ問題だということを指摘している. そのひとつは工場監査の際に不正の兆候がみのがされていることの指摘である: 「監査者が自分の頭の中で監査する範囲を決めてしまっていた [...] ミートホープの冷凍庫,冷蔵庫の中に豚の心臓があっても,自分の仕入れ商品と違うので問題視しなかったのです」. 大前研一がある著書のなかでコンサルタントはどんな些細な兆候もみのがさないことが大事だということを指摘しているが,食品工場の監査もおなじだといってよいのだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: “食の安全”はどこまで信用できるのか@ [bk1]“食の安全”はどこまで信用できるのか@Amazon.co.jp

つづく…

2008-09-12

本のタイトルにはウィニーはあらわれていないが,目次をみると 4 つの章のうちの 3 つにウィニーがあらわれている. それだけ,ネットにおける情報共有・セキュリティ・匿名性についてかんがえるとき,ウィニーの存在がおおきいということだろう.

第 1 章は完全にウィニーにあてられ,開発のいきかさつから著作権問題,情報漏洩問題,そして 47 氏の逮捕・判決までがかたられる. 第 2 章以降はもっと範囲をひろげて,P2P,インターネットの可能性,コモンズ,著作権,匿名性などの問題がかたられる.

ウィニーに関する本は,47 氏つまり金子氏本人のものもふくめて他に数冊あるが,そのおおくはハウツー本や一部の問題だけをあつかったものである. そのなかで,本書はウィニーが提起したさまざまな問題の全体像をとらえている貴重な本である.

評価: ★★★★☆

関連リンク: アウト・オブ・コントロール@ [bk1]アウト・オブ・コントロール@Amazon.co.jp

つづく…

2009-04-16

ニューヨークより日本全体のほうが殺人事件はすくない. また 1980 年代にくらべると殺害されるこどもの数も半分以下にへっている. それにもかかわらず,ひとびとの安全への不安はかきたてられている. 少年犯罪への刑罰は強化され,精神障害者にも刑罰を課すようになり,「被害者」 によって特定された 「痴漢」 がほとんど証拠もなしに有罪になっている. そこには,社会の関心が犯罪者から被害者にうつったことも反映されているという. 殺人事件においては被害者遺族のために加害者を死刑にするべきだという論理が台頭しているという.

国民の意志が権力を暴力にむかわせているという点においては,日中戦争から太平洋戦争にむかった歴史をおもいおこさせる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 暴走するセキュリティ@ [bk1]暴走するセキュリティ@Amazon.co.jp

つづく…

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