まえの版は著者が厚生大臣をやめてまもない 1998 年に出版され,それを民主党の鳩山首相時代の 2009 年に改訂したものが現在は出版されている. 厚生大臣として内閣の一員になったときにわかった自民党中心の内閣における官僚と政治家との関係や,厚生省での官僚との対決のようす,視察でわかったイギリスの政治制度などに関する経験などが,その成果をとりこんだ民主党政権のうごきとともに,かたられている.
いま首相となった著者がなにをかんがえ,これからなにをしようとしているのかは,十分にはつたわってこない. しかし,そのてがかりはここにあるということができるだろう.
評価: ★★★☆☆
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30 年にわたって通産省・経産省につとめてきた著者が,官僚によってどのように日本の政治がゆがめられてきたかをあばいている. 官僚がいかに巧妙な方法をつかうか,それに政治家が対抗するのがいかにむずかしいかがわかる.
ほとんどのひとは実名で登場する. 反骨精神のある官僚の目に,橋本龍太郎,小泉純一郎から現役のひとたちまで,政治家がどのようにみえているかがわかって,おもしろい. 民主党の政治家たちが官僚になめられているすがたも描かれているが,なんとか,崩壊するまえに対抗できるようになってもらいたいものだ.
評価: ★★★★☆
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菅直人の著書数冊のうち,厚生大臣になってまもなく書かれたのがこの本だ. その後まもなく書かれた 「大臣」 という本とともに厚生大臣としての経験がつよく反映されている. その後の本が野党としての民主党における経験を書いていて永田町中心であるのに対して,この本は霞ヶ関つまり官僚とのたたかいが話題の中心だ. その点ではより現在の菅直人につながっているといえるのではないだろうか.
著者は官僚をするどく分析している. しかし,厚生大臣のときにはそれほど熾烈なたたかいをしなくてもうまくいったようだ. もしかするとそれが民主党が政権をとってからの官僚に対するあまさにつながっているのではないだろうか.
評価: ★★★☆☆
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民主党が自由党を吸収したあとに書かれた本だ. 自由党と小沢一郎との関係について 2 つの章をあてている. その後の章は小泉自民党との対決,政権をとったときの政策や官僚とどう対決するかなどについて書いている.
厚生大臣の経験を書いた 「日本 大転換」 や 「大臣」 という菅の著書とくらべると実践にうらづけられていない理念的な記述がめだち,迫力に欠ける. 官僚とのたたかいについても書いているが,これまでの内閣は官僚に依存していたから官僚の抵抗をうけたのに対して,官僚への依存をなくせば 「抵抗はないと思う」 というところなどは,あまさがあったのではないかとおもえる.
もうひとつ気になったのは,小沢についてはいろいろ書いているのに,鳩山由紀夫についてはほとんど書いてないことだ. 菅のほかの本でもあまり登場しないようだ. このへんがひとつ,ふしぎなところだ.
評価: ★★★☆☆
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官僚に直接,話をしたりすることはほとんどない. しかし,仕事の関係で某機関の官僚に関する話をいろいろきくことがある. 私自身がそれでこまっているわけではないが,そのたびにいやになる.
著者は省庁の縦割りによる行政や天下りや,その他,現在の行政組織の問題点とされていることに問題があって改善の必要があることはみとめつつも,それらの制度ややりかたをみとめてしまっている. こういう改良主義的なかながえかたは,いかにも官僚らしい. 官僚としての経験からくるそういうかんがえをあたまから否定することはできないだろう.
しかし,そういう改良主義的なやりかたではもはや問題を解決できないところまで日本の政治はきているのではないか? だから民主党は改革をこころみて,とりあえずは失敗におわった. この本ではそのみじめな失敗の様子も記述されている. しかし,民主党にせよ自民党にせよ,やはり今後もこの著者のような官僚の抵抗を排して,改革をこころみていかなければならないのではないだろうか? それはやはり政治家のやくわりだ.
評価: ★★★☆☆
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著者は官僚だったから,そうでなければ書けないこと,とくに小泉内閣・第一次安倍内閣時代の彼の仕事,竹中平蔵との関係・やりとりなど,おもしろい話がいろいろある. 技術のわからない官僚のなかにあって,IT を理解し郵政改革では SE と対決した話もおもしろい. しかし,自慢話っぽくて,どこまで信じていいかわからないようなところもある.
評価: ★★★☆☆
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