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心理アーカイブ

2008-08-12

この本がとりあげている問題は重大である. 子供がケータイを何にどのようにつかっているかを分析し,ネットいじめ,ケータイがもたらす心理的な罠,フィルタリングの問題などについて論じている. しかし,子供をすごく,とおくから見ている印象だ. 直接,子供にきいたナマの情報というのはないようにみえる. こういう情報はもう聞きあきたし,そういう本ならほかにも,いくらもあるようにおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ケータイ世界の子どもたち@ [bk1]ケータイ世界の子どもたち@Amazon.co.jp

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2008-10-01

としをとると時間がみじかく感じられるようになるといわれている. この本はその理由をおもに心理学的にあきらかにしようとしている. 代謝,感情,注意,その他さまざまな要因が説明されている. 私自身はとしをとって時間がみじかくなったとはおもっていないので,なぜそれらの要因があてはまらないのかをかんがえながらよむのがおもしろかった.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 大人の時間はなぜ短いのか@ [bk1]大人の時間はなぜ短いのか@Amazon.co.jp

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2008-11-15

入門書として,たしかに第 1 章は認知心理学の概要を説明している. しかし,それ以降の章は認知心理学の主要なテーマを説明するというよりは,エピソード的な内容がおおい. また,この本は本文はすべて左側のページにあり,右側のページはほとんど囲み記事になっているため,本文は 120 ページにかぎられ,説明不足だとおもわれる. 2000 年以降のあたらしい内容もふくまれている点はよいが,認知心理学の全体像を把握するには適切とはいえないとおもう.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 情報処理心理学@ [bk1]情報処理心理学@Amazon.co.jp

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2008-11-17

日本語の認知心理学の入門書として 2000 年の出版は比較的あたらしい. 内容は心理学にとどまらず,解剖学,生理学など,周辺の学問もとりいれている. 内容は,注意,記憶,知識と施行,言語認知など,認知心理学の中心的なテーマをボトムアップにあつかい,社会的認知にまでいたっている. 2000 年以降の発展については他の本を参照する必要があるが,当時の最新成果をとりいれようとしている. また,序章においては,この本ではくわしくとりあげられなかった内容までふくめて,概観しようとしている.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 知性と感性の心理@ [bk1]知性と感性の心理@Amazon.co.jp

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2009-08-08

認知心理学者ノーマンは著書 「誰のためのデザイン?」 において既存のさまざまな工業製品のデザインを分析していた. するどい分析ではあったが,その内容はむしろ保守的にみえた. 本書では知的な機械と人間とのインタラクションがテーマとなっていて,よりノーマンらしい内容だとおもえる. 本書の内容はそのなかに書かれている 「6 つのデザインルール」 にまとめられ,また 「機械によって [実はノーマンによって] 作られた 5 つのルール」 もあわせて書かれていて,そのほうが私にはピンとくる. いずれにしても,マイコンなどを内蔵した知的なインタフェースのデザイナーは,本書をてもとにおくとよいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 未来のモノのデザイン@ [bk1]未来のモノのデザイン@Amazon.co.jp

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2009-09-12

いろいろな 「心理テスト」 のインチキをできるだけ客観的にしめそうとしている. 第 1 章でとりあげられているのは血液型診断である. これは世界的にはまったく相手にされていないので私はそもそも興味がないのだが,日本人を説得するにはちゃんと説明する必要があるということだろう. 第 3 章はロールシャッハテストである. 著者ははじめはそれをできるだけ客観的に実施しようとしていたが,その後やめてしまったという. もっといいかげんな方法で実施していた著名な心理学者がこきおろされている. ほかの種類のテストについても同様だ. エピローグでは Web テストのあやしさにも言及している. この本を読んで,「心理テスト」 にだまされないようにしよう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 心理テストはウソでした (文庫)@ [bk1]心理テストはウソでした@ [bk1]心理テストはウソでした (文庫)@Amazon.co.jp心理テストはウソでした@Amazon.co.jp

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2009-12-23

成功したいがゆえにかえって失敗してしまう心理,集団になると極端にはしってしまう心理など,不幸にみちびかれるさまざまな心理的な原因を解説している. 本のタイトルになっている人の気をひく話題は本の最初であつかわれ,「中年の危機の乗り越え方」 が論じられているが,この本のなかにはそれよりもっとおもしろい話題がいろいろある.

評価: ★★★★☆

関連リンク: ジーパンをはく中年は幸せになれない@ [bk1]ジーパンをはく中年は幸せになれない@Amazon.co.jp

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2010-01-20

新書としてはかなり厚いこの本は,ゲームやネットワークへの依存症をあらためて警告し,症状や対策をしめしている. ゲーム依存症が存在し,その早期の発見や対策が重要であることはたしかだろう. しかし,いくつかの統計がとりあげられてはいるものの,ゲームをするこどものどれだけが依存症になるのかはこの本からはよくわからない. 前著 「脳内汚染」 と同様にその危険を過大評価しているようにみえるが,だからといってこの本の価値がなくなるわけではない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 脳内汚染からの脱出@ [bk1]脳内汚染からの脱出@Amazon.co.jp

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2010-01-28

ゲームやネットが青少年の脳をさまざまなかたちでむしばんでいることを告発している. 「ゲーム脳の恐怖」 ほどではないが,この本もアマゾンの書評などでは評判がよくない. 文庫版のあとがきでは著者自身もそれを意識し,この本のまえの版に言及して,「「科学的根拠が乏しい」 という言葉に安心し,危険がないと思って子どもに与え続ける人も数多くいる.」 と書いている. しかし,それにつづけて 「科学的に,百% 黒だと証明されたときには,もう手遅れになってしまうのである」 と書いている. 根拠に限界があるなかでも,できるだけ統計などをとりいれて客観的に論じようとしていることは評価してよいだろう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 脳内汚染@ [bk1]脳内汚染@Amazon.co.jp

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2011-02-19

夢は見るもの,つまり視覚的なものであることがおおい. しかし,音がきこえることもある. 私はちかごろ,なぜか触覚的な夢をよくみる.

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2011-04-10

いま,おおくの雑誌が東日本大震災の特集を組んでいる. そのなかで,Courier Japon 5 月号では各国のジャーナリズムがこの震災における日本人のふるまいとその解釈をしめそうとしている. 宗教的な背景にむすびつけようとする議論がおおいが,そうでないものもある.

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2011-07-31

フードコートのようなところで,たべものをえらんで席にもちかえる夢をみた. なにをしゃべったのかはおぼえていないが,黒人の給仕と英語で話をしたことはおぼえている. トレイのうえに皿をつみかさねて,席にもちかえった. ささいな夢だが,こういう夢はあまりみたことがない. まえの日に中華街をしばらくあるいて,ひとりで夕食をとったことと関係があるのだろう.

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2011-09-11

被災者やバーチャル被災者は 「災害ユートピア」 という本にも書かれているように,災害後 1 〜 2 ヶ月は 「ハネムーン期」 とよばれるハイな状態になるが,その後は幻滅期,再建期を経て通常にもどるという. この本はその幻滅期以降にとるべき対応などについて書かれている. 9 月に出版されているが,もっとはやく出版されていればこの震災でももっとやくにたったのだろう. タイトルをかえて,今後おこる災害へのそなえるための本とすればよいのではないだろうか.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 心のフタ@ [bk1] 心のフタ@Amazon.co.jp

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2011-12-31

神経言語プログラミング (NLP) についての本は多数あるが,その基本を比較的うすい本で知りたいとしたら,この本を読むのがよいだろう. 自分が経験したことをそのときとはちがうやりかたで再生してみたり,他人の立場に身をおいてみることで,人生やコミュニケーションをもっとよりよいものにする方法を書いている.

経験を再生するやりかたにはいろいろあるだろうが,著者はそれを視覚的に再生すること,テレビを調整するかのように色やあかるさをかえて再生することが効果的だと書いている. 視覚的な再生の効果ということになると,個人差もあって,ひとによってはそれがあまり意味をもたないこともあるとおもえる. しかし,基本的なかんがえかたはたいていのひとにとって有用だとかんがえられる.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 神経言語プログラミング@ [bk1]神経言語プログラミング@Amazon.co.jp

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2012-04-10

「通勤電車で座る」 がテーマになっていて,実際にそれに関することが内容の大半だ. しかし,著者をみならうべきなのは,通勤電車のなかでぼーっとしていないで,まわりの人間を観察し,ありとあらゆる思考をめぐらしているというところだ. ぼーっとしているのと,これだけあたまをつかっているのとの差はきっとおおきいだろう.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 通勤電車で座る技術! (単行本)@ [bk1]通勤電車で座る技術! (単行本)@Amazon.co.jp通勤電車で座る技術! (文庫)@ [bk1]通勤電車で座る技術! (文庫)@Amazon.co.jp

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2012-07-15

「上から目線」 ということばは比較的最近つかわれるようになった. にもかかわらず,この本ではそれをふるくからの人間の心理や日本の文化などから説明しようとしているようにみえる. 第 5 章では 「母性原理」 と 「父性原理」 をもちだし,「父性原理は弱体化してきている」 と指摘している. しかし,それは 「父性原理」 ではうまくいかなかったからなのではないか. 「戸塚ヨットスクール事件」 をいまさらもちだして,そこからまなばなかったといわれても,それが現代の問題だとはおもえない. 時代錯誤ではないのか? そういうおもいは 「ビジネスの先輩や人生の先輩による 「上から目線」 に慣れていくこと. そして,必要に応じて自分自身もよい意味での 「上から目線」 に立つことができるようになること」 が必要だという部分で頂点に達する.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 「上から目線」の構造@Amazon.co.jp

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「上から目線」 ということばは比較的最近つかわれるようになった. だから,それは最近の社会の変化を反映しているだろう. 著者はこのことばがつかわれるようになった社会の変化を分析する. しかし,あまりにいろいろな変化を 「上から目線」 とむすびつけてしまっているようにみえる.

たぶん,この本のなかでは 「上から目線」 より対話の 「テンプレート」 がつかえなくなったという,何回か登場する指摘のほうが重要なのだろう. 著者によれば,日本語には 「上下関係を規定する性質がある」 という. ここで著者はテンプレートということばをつかってはいないが,これもそれにちかいのだろう.

こういうテンプレートがつかえなくなった (あるいは不適当なテンプレートがつかわれている) ことによって,コミュニケーションがうまくいかなくなっている. それがうまくいかなくなっていることに問題があるのだから,第 8 章で著者がその処方箋をしめしているのは妥当なことだろうが,その処方箋は特殊なばあいにしかつかえないし,ピンとこない. つまり著者は処方箋をしめすのに失敗しているといえるだろう. しかし,テンプレートや上下関係の規定に関する指摘じたいは重要だとおもう.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 「上から目線」の時代@Amazon.co.jp

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2012-10-06

過去のできごとをおもいだすとき,うまく説明できないが,それぞれのできごとに依存した雰囲気あるいはムードのようなものをともなうことがある. それは説明できないし,ひとがそれについて書いているとしても,それとおなじものかどうかをたしかめることができない. しかし,茂木健一郎がいう 「クオリア」 は,もしかしたらそれとおなじものなのではないかともおもえる.

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2012-10-29

エニアグラムは性格を 9 タイプに分類する. 自分がどのタイプに属するかは,この本をよめばだいたいわかるだろう. しかし,それを仕事や人生にいかしていくには,この本はちょっとよわい. そこまでめざすなら,ほかの本をさがす必要があるかもしれない.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: 自分のことが分かる本@Amazon.co.jp

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2012-10-30

エニアグラムではひとの性格を 9 タイプにわけるが,この本では 16 にわけている. エニアグラムのほうが歴史があるのだろうが,この本のほうがもれなく分類している感じがする.

16 にわけているから,そのひとつひとつについての記述は必然的にみじかくなる. しかし,全体で 300 ページちかくあるので,各タイプに向いた仕事などについても,そこそこくわしく書いてある. 自分に関係ある部分だけ読めばよいから,読むのに時間はかからないし,それなりにイメージをつかむことができるようにおもう.

評価: ★★★☆☆

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2012-10-31

どうやら,この本を読んで共感し役だてられるひとと,ピンとこないひとと.読者は 2 派にわかれるらしい. ひとを理解せず相手の立場に立つことができないために人間関係がうまくいかなくなることはすくなくないが,それをなぜ 「箱」 ということばで表現するのか,私にはわからない. 「箱」 という不可解なことばがつかわれていることをのぞけば,この本で特別あたらしいことはなかった.

評価: ★★☆☆☆

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つづく…

いやなことはいっさいやめて,ワクワクすることだけを,しかもワクワクすることすべてをやりなさいという. やりたいことを制限してしまえば,それだけ可能性をせばめてしまうということだろう. ここまで徹底的にやることはなかなかできないだろうが,それをめざすことで成功する機会がふえるのだろう. いままで捨ててしまっていたことを,もう一度ひろうチャンスをあたえてくれる.

評価: ★★★☆☆

関連リンク: ソース@Amazon.co.jp

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2013-06-14

"The Willpower Instinct" という英語のタイトルとくらべると,日本語のタイトルは漠然としている. 漠然とした印象のまま買って失敗した. 内容紹介には「受講者の 97% に影響を与えた」とあるが,「意志」 に関して問題のないひとには必要のない内容であるようにおもえる. 内容が科学的かというと,かならずしもそうはいえない. 5 章は脳とドーパミンが話題とされているが,「ドーパミン」 ということばはむしろ比喩的な意味でつかわれているだけであり,脳科学とはあまり関係がない. あまり得るところはなかった.

評価: ★★☆☆☆

関連リンク: 自分を変える教室@Amazon.co.jp

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2014-02-02

著者は金縛りの研究をしてきたのだという. 世界のなかには 「金縛り」 を夢の一種とかんがえる民族もあるが,日本人は超常現象のようにかんがえるひとがおおいのだという. 私には夢としかおもえないし,実のところ,この本を読まなくても金縛りがどんなことかわかっているような気がしていた. それでも,帯に書かれた 「あれは,夢である!」 という,私にとってあたりまえのことがそうでないかのように書かれていることに興味をもって読んでみた. それほど特別なことは書いてないが,自分のかんがえのただしい部分,かならずしもただしくない部分をあらためて認識した.

評価: ★★★☆☆

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