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NGN

NGN 関連の標準化組織とその活動

NGN (次世代ネットワーク)に関連する標準化組織とその活動状況についてのべる. NGN の標準化をおこなっているのは ETSI, ITU-T であるが,関連するプロトコル等の標準化のながれは基本的にはまず IETF がもとになる標準をさだめ,それをうけて 3GPP,ETSI (TISPAN),ITU-T がほぼこの順で標準化をすすめるという順序になっている. ただし,個々の標準のなかにはこれとことなるものがある.

IETF (Internet Engineering Task Force)
IETF はインターネットの標準化をおこなう組織である. IETF においては NGN に関する直接の議論はしていないが,NGN のベースとなるのは IP ネットワークであるから,NGN で利用する技術は SIP をはじめとして IETF において標準化されたものがおおい. したがって,NGN において必要になったインターネット標準の拡張などが IETF において議論されている. NGN において必要となる SIP の拡張仕様等については,おもに SIPPING WG (ワーキンググループ) があつかっている. また,現在進行中の NSIS WG (Next Step In Signaling) WG や TSVWG (Transport Area WG) は QoS に関する最先端技術をとりいれようとしている. これらが 3GPP や ITU-T などと関連し,3GPP における標準化が IETF の標準化まちとなっている部分もある.
3GPP3GPP2
これらは第 3 世代携帯電話システム (ETSI, 3GPP においては UMTS とよばれている) の標準化のための組織である. 3GPP において策定された IMS (IP Multimedia Subsystem) が,携帯電話にとどまらない NGN におけるマルチメディアサービスの核とされている. 3GPP は国際標準 IMT-2000 の日欧方式である W-CDMA の標準化のためにつくられ,QUALCOMM 社が中心に開発した IMT-2000 である CDMA2000 方式の標準化は 3GPP2 という別組織でおこなわれてきた. 3GPP2 は 3GPP の IMS をもとにして同等の概念である MMD (Multi-Media Domain) を標準にとりこんでいる. 3GPP は 2006 年 6 月には IMS 関連の標準ドキュメント群のリリース 6 をだしている. この報告においてはできるだけリリース 6 にもとづいて記述するようにしている.
ETSI (欧州電気通信標準化機構)
ETSI はヨーロッパの電気通信の全般にかかわる標準化組織である. 3GPP が移動通信網の標準化をおこなっているのに対して,固定網を中心とする NGN の標準化を ITU-T より先行しておこなっている. 2006 年 1 月には ETSI のプロジェクトである TISPAN でつくられた 60 件の仕様書が NGN 標準のリリース 1 として発表され,さらに 6 月にはリリース 2 がだされている. この報告においてはできるだけリリース 2 にもとづいて記述するようにしている.
ITU-T (国際電気通信連合の電気通信標準化部門)
国際電気通信連合 ITU の電気通信標準化部門である ITU-T は,ETSI の標準をもとにして,2006 年 6 月現在,NGN のための専門部会である SG13 (スタディ・グループ 13) を中心として,7 月のリリース 1 に向けて議論をつめてきたが,ITU-T での標準作成作業は TISPAN にくらべて半年から 1 年くらいおくれているという.

NGN を実効性のある世界標準とするためには,これらの組織が協力して統一的な標準をつくりあげる必要があることはいうまでもない. これらのほかに,北米やアジアなどにはそれぞれ標準化のための組織がつくられているが,それらに関する説明は省略する.

関連リンク:
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