「DSMS と人間の情報処理における記憶のアナロジー」 においてはデータ・ストリーム管理システム (DSMS) と人間の脳とで記憶の構造に類似性があることを指摘した. ここではさらに,さまざまなセンサーからの情報を総合するやりかたにおいても,DSMS と脳とで類似性があり,前者は後者からまなべることを指摘したい.
人間の脳にはさまざまな感覚器からの信号が入力される. それぞれの信号は不完全であり,あいまいである. 脳はそれらの情報を総合して外界の物体などを認識する.
DSMS においても,さまざまなセンサーやルータなどから入力される情報は不完全かつあいまいである. DSMS の上位のシステムにおいては,DSMS に適切なクエリをあたえるとともに,DSMS から受信したストリームを適切に処理することによって,ここから必要な知識をえる必要がある. この処理は人間の脳における処理によく似ているということができるだろう.
したがって,DSMS におけるこのような情報の総合のしかた (情報統合) は人間の情報処理のしかたから,まなぶことができるだろう.