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1981-03 アーカイブ

1981-03-31

金田 泰, 東京大学大学院工学系研究科情報工学専門課程 修士論文, 1981.

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研究テーマ紹介: プログラミング言語学

要旨

プログラミング言語を,機械のための言語というより,人間がかき,人間がよむための言語 [そして人間と人間とのコミュニケーションのための言語] と認識すれば,その研究はむしろ人文科学に属するものであることがわかる. そして,そこからプログラミング言語を言語学的に研究する可能性がひらけてくる. そして,おなじ認識からプログラミング言語と自然言語を比較研究することの意義がみいだされる.

これまでプログラミング言語の言語学的研究は,興味はもたれていても実際におこなわれたことはないようである. したがって,まずその研究の基礎をきずくことが必要だとおもわれた. そこで,プログラミング言語の言語学的な見方をしめし,プログラミング言語のどの部分にどのような研究方法が適用可能であるかをしらべ,そして研究を方向づけることをこころみた.

本論文でのべる 「言語学的な見方」 のなかでもとくに重要なのは,まずプログラミング言語を慣習 (= 「非成文化規則」) をもふくめた体系としてとらえること,つぎにプログラム単位名の意味をその 「抽象」 との関係としてみることである. またプログラミング言語に言語学的方法をあてはめるための検討のなかでは,自然言語との構造上の類似点などを指摘した. そして,「形態論」 から 「意味論」 におよぶ研究分野をいちおう方向づけした. そのなかで重要な (意味論の) 部門のひとつは,プログラミング言語に存在するあいまい性の研究である.

言語学的研究はおもにすでに存在するプログラムを対象とするが,本論文ではそのような系統的研究をおこなうところまでは達していない. しかし,ここから研究のてがかりをえることはできるのではないかとおもう.

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