AI の画才をひきだして AI アートを描かせる
AI アートで絵を描かせるとき,通常は人間が望む画像を作るために比較的細かい指示 (プロンプトまたは呪文という) を与えるが,このプロジェクトではおもに 1〜3 語程度の短いことばや造語を使用して,私ではなく AI の画才をひきだして自由に画像をつくらせることをめざしている. 研究というよりは AI ならではという作品をつくらせることを目標としている.
AI アートで絵を描かせるとき,通常は人間が望む画像を作るために比較的細かい指示 (プロンプトまたは呪文という) を与えるが,このプロジェクトではおもに 1〜3 語程度の短いことばや造語を使用して,私ではなく AI の画才をひきだして自由に画像をつくらせることをめざしている. 研究というよりは AI ならではという作品をつくらせることを目標としている.
現在のインターネットは決して理想的なかたちで発展してきたわけではない. いろいろなことが歴史的な事情や力関係のなかできまってきた. 政府の組織や制度を変えるのがむずかしいのと同様に,いったんできあがってしまったインターネットの構造をかえるのは容易でないが,どんどん複雑化していくインターネットの単純化をどこかではからなければならないとかんがえられる. ネットワーク仮想化はそのよいきっかけになるようにおもう. そこで,これまでネットワーク仮想化に分類してきた研究の一部を「インターネットの再構築」というテーマとして独立させることにする.
具体的なテーマはまだきまっていないが,情報,電子,機械の 3 要素をあわせることで,これまでにない 〈なにか〉 を実現することができるとかんがえられる. これら 3 要素をあわせた 「学」 を Trinity Engineering あるいは Trinity Science とよぶことができるだろう. 比較的最近,可能になった CAD や 3D プリンタなどのツールをつかうことによって,ひとりあるいは少人数でもこれらをくみあわせたあたらしいものがつくれる. それはものづくりであり研究でもある.
最近 3D プリンタが注目されるようになってきたが,その印刷・造形技術や 3D オブジェクトの設計技術,そして実用およびアートへの応用はまだ十分に開拓されているとはいえない. あらたな技術を開発しそれを実用化していくことが,日本の工業やアートを活性化し,世界への貢献にもつながるとかんがえられる.
コンピュータの仮想化は 1960 年代からはじまり,近年は仮想マシン (VM) が普及するとともにストレージも仮想化されてきた. ネットワークもデータセンタなどで仮想化されてきているが,さまざまな研究課題がある. とくに,ネットワーク・ノードにプログラマビリティをとりいれた仮想ネットワークを実現することにより,インターネットの限界をこえるためのさまざまな実験研究をおこなえるようにすることができる.
この研究の目的は voiscape というあたらしい音声コミュニケーション・メディアを開発することである. このメディアをつかえば,2 人以上のひとが立体音響技術にもとづく仮想の音空間をつかってたがいに話をすることができる. 話者はその "音室" 内を自由に移動することができ,部屋の選択,入室,退室も自由にできる. また,カクテル・パーティのような状況もつくりだすことができる. いわば,音によって Second Life のような世界をつくることをめざしている (ただし,Second Life が仮想の世界をつくることを目的としているのに対して,voiscape がめざしているのは基本的には実世界をひろげることである).
CCM (Chemical Casting Model, or Chemical-Computation Model) は創発的計算のモデルのひとつである. CCM は局所的な情報だけで動作する. つまり各反応 (単位動作) がかぎられたデータだけを使用し, 大局的な計画 (すなわちプログラム) なしに計算がすすむ. CCM は (エキスパート・システムの開発につかわれた従来のプロダクション・システムとはややことなる) 化学反応系のようなプロダクション・システム (規則ベースの計算法) にもとづいている. CCM にはつぎのような特徴がある.
また,触媒をくわえると反応によって変化しないが秩序度に影響して反応速度が変化したり,反応規則を合成すると一種のトンネル効果がえられたりする. フラストレーション蓄積法 (FAM) によってアニーリングに似た効果をえることができる.
RACA は複雑系のモデルのひとつである. Wolfram などによって研究されてきた従来のセルオートマトンは同期的であり,決定論的に動作した. RACA はそれとはちがって非同期的であり,非決定論的に,より正確にいえばランダムに動作する. RACA とCCM とは確率的な動作をするという点で似ている. この研究はもともと CCM の応用としてセル・オートマトンの計算をしたところからはじまった.
この研究の目的は Prolog のような論理型言語のプログラムやその他の記号処理をベクトル計算機によって実行する方法を確立することだった. おもな対象の計算機は Cray X-MP や Hitac S-820 などのベクトル型スーパーコンピュータである. しかし,この研究はあわせて CM-1 のような SIMD 型の並列コンピュータによる記号処理も視野においていた.
大学 3 年のころから汎用コンピュータのためのコンパイラを開発してきた. 最初は雑誌の bit に連載された SIMPL という言語のコンパイラを (bit の連載とは独立に) 開発した. 大学院のときには東大の教育用計算機センタで使用するための Pascal コンパイラを開発した. 就職後しばらくは Fortran コンパイラの開発に従事してきたが,そのなかで ベクトル計算機に関する開発は別項にあげた. いわゆる IBM 事件後のコンパイラ再開発において配列のデータフロー解析法を開発した. ほかにもちいさな試作品はいろいろあるが,つかわなくなったパソコンのディスクのなかなどにうもれている. そのうち,それらもひろいだしたいとかんがえている.