このページは「阪神大震災 -- 情報ボランティアとコンピュー タ・ネットワーク」の情報ボランティア編と WWW 編に対して 西宮市の清水氏からよせられたメイルを,金田が編集したものです.編集したのは, 上記のページやそこからリンクされた資料との重複をさけるため,また WWW 上での よみやすさのためです.もとのメイルは「サーベイ編」に対してよせられたもので すが,その後ページ編成を変更したため,ここではあらたな編成にあわせてあります.
Date: Thu, 18 May 1995 20:02:50 From: Kaz Shimz[中略]Subject: Comment to your WWW To: yk@trc.rwcp.or.jp
まず、お断りしておきますが、私が個人的責任でコメントできる範囲は、金田さんが 作成された目次で表現すると、下記の章/節、だけです。
WWWに関しては、全く放談調で考えを述べます。 まず、余談ですが、私の学生時代の専攻は、公共経済学 & 経済哲学でして、 「経済学とは人間を研究する学問である。」 「経済学の任務は有限な資源(資本と労働力)の最適な分配の探求である。」  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ を徹底的に叩きこまれました。で、「最適な分配」を結構気にする性格です。 逆に言うと、冗長性をあまり許容しないタイプの人間です。 特に、乏しいことが明白な資源(典型が「お金」^^;)については。 (つまるところ、「ケチ」ですな ^^;) かつて「WWWはネットワーク資源の浪費になりかねない」旨の意見をVAGのメーリ ングリストで書いたのは、「有限なネットワーク容量」に対し、不要不急の(と私は思 った)画像データ等を添付するWWWサイトが乱立することにより、画像データに資源 の割り当てが偏重する可能性があるからです。 情報伝達効率を考えると、現在の日本では WWWサーバー の乱立は、インターネット ユーザーの首を絞めかねない。もっとも、それで「容量増加要求」が認められ、バック ボーンが太くなる可能性もあります。 #ここらへん、「ニワトリが先か卵が先か」みたいな関係ですね。 ま、逆にWWWサーバーの、閲覧簡便性とか、リンクによる検索用意性は特筆すべき 利点です。コマンドベースのBBSや、単純ツリー構造の FTP/Gopher では、この 金田さんの力作のような、俯瞰性/概観性のある説明は絶対に不可能ですから... 震災直後のNTTホームページのように、緊急時には画像を極力使わない態度を、 WWW管理者/作成者のエチケットとして確立できたらいいのに、とも思います。 とにかく、回線が太くなるまでは、帯域の奪い合いになりますから。 余談が長くなりました。ここらで終わります。
「何が必要な情報か(何を知るべきか)という事自体、だれも(政府・地方公共団体も マスコミもボランティア団体も)完全に把握していなかった」ことも明記しておいた方 がいいでしょうね。(必要な情報ジャンルのサーベイも次へ向けての課題です。) 「情報、インフォメーション」という抽象語が安直に一人歩きしないように。 抽象語の乱発は、実地での混乱を招きますので、あんまり好きではないです。
「活躍」というほどの評価(を含む語)は、まだ時期尚早だと思います。 ここでは、「発生」「活動」程度の言葉が妥当でしょう。 本当に役に立ったか? と聞かれたら、まだ返答に困ります。
「あまり役に立たなかった」Niftyserveの情報VGや、 ポンポコ救援隊(自転車フォーラムの有志による情報収拾+ 物資配布の活動隊)は、2月初頭にはいちおうの体制 ができていたことを補足しておいて下さい。金田さんの文章では、「いくつかの団体 は、(比較的早く)3月にはいってから体制が整った、それ以外の団体はもっと遅か った」、ようにも読め、1月2月の段階で組織的に活動していた団体がなかった、と いう誤解を生む可能性があります。(流し読みして、「団体のいくつか」、の部分を 無視すると、まさにそういう誤解を招くでしょう。)
補足します。 震災を契機としてできた団体の発生形態として、だいたい以下の4つがあるでしょう。 (Niftyserveの場合、です。)
金田 : ここ、正確にはボランティア(個人および団体)の「連絡体(連絡網)」です。 IVN川村班 とか IVN神戸大学班 は組織ですが、IVNはあくまで連絡体です。 代表がいるわけでも、決議機関があるわけでも、参加規約が定められた訳でもない。 (このへんも、インターVネットとの混乱につながる遠因になりました。)
Niftyserve の震災ボランティアフォーラム13番会議室の、増澤さんと山本さんの コメントチェーン(スレッド、の方が金田さん向きですか?)で、この辺の機微が 明らかになると思います。(#185〜#316、でわかりますでしょうか?)
金田 :
#当時から、「最優秀渉外」でした。恐るべき Tough negosiater!!!
Q:IVNって結局何をしたの?
A:連絡会を開いただけですね。
という認識しか持てないのですが、金田さんの認識はどうなんでしょうか。 IVNのような「連絡体」は必要なのか、必要ならばどう機能すべきか、という点も、 追求する必要があります。私は「強いて必要ないが、あってもいいかな。」程度の認識 です。各団体の毒にも薬にもならなかったし...
親睦会というか、情報交換会としてうまく利用できていれば、その後の団体間のコミュ ニケーションが円滑になり、人手と物資の相互融通ができたかも、と考えていますが、 今回は残念ながら、全く機能しなかったように思います。
この辺、情報VGの岡本さんははっきりと「不要、邪魔」とか言ってました。 彼にいわせると、「行動」が要請されている時に「会議」やら「連絡」で時間をとられ るのは我慢ならないそうです。 「連絡、調整の手間を最小限にし、緊急度に従って各人がするべきことをする」を、 情報ボランティアグループの立上時に行動原理として標榜してました。 これも一理ありますが...
#私も、ついつい「効率性」を追求する方ですので、肯ける点があります。
金田 : え〜、元メンバーとして、お願いがあります。
インターVの misc に投稿した文章を改編したものを、以下に添付しますので、 「情報ボランティアグループのアーキテクチャ」 とでも題して資料編かサーベイ編から ポインタはって下さいませんか。
このアーキテクチャ自体が、岡本氏(ちょこぱ氏) によって打ち出されたこと、も 明記すべきでしょう。これを忘れると、また猛烈な抗議を受けそうだ。 (しかし、他人へ説明する文章としてまとめたのは、なぜか私だった。^^;) このアーキテクチャは、「情報ボランティア活動」の評価・吟味の一つの基準になる と思います。岡本氏は、絶対的な基準だと考えているみたいですが...
−−−−(アーキテクチャ説明ここから)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
[中略]
−−−−(アーキテクチャ説明ここまで)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
あと、Niftyserveで忘れてはならないのは、「News!」(成果は fj.misc.earthquake にも投稿されていました)、IVN川村班(兵庫県震災ネットサポーター、ただし、 最近はVAG現地班に乗っ取られつつありますね。)、その他いろいろあります。
金田 :
ここは、WWWが見られるようになった増澤さんへお任せします。
金田 : ここ、以下の私の発言をリンクして下さいませ んか?。これの評価が無いままだと、次回につながらないので... 私の今回の震災における、最大の活動なんで、思い入れがありまして。
00127/00144 PXD03473 清水 和佳 Format of *.survivors.life-info 1/3
[後略]