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Under-the-table から open-air へ

会社で予算がつかない研究を (すくなくとも私の会社では) under-the-table でやるのがよいとかんがえられてきました. しかし,いまやそういう時代ではなくなった,open-air のほうがよいのではないかという主張です.

いろいろな事情から,会社で自分がやりたい仕事のための予算をとるのがむずかしくなってしまいました. 会社の業績がわるいというのも一因だし,そうでなくてもビジネスとしてなりたつかどうかがきびしく,とわれるようになったということもあります. また,私がとしをとったというか,逆にいえば予算の決定権がわかい世代にうつったということもあるとおもわれます. また,予算以外にも,定年後にそなえる必要がある,つまりいずれ会社から自立する必要があるという事情もあります.

研究提案に対して予算がつかないとき,会社 (研究所) でよくいわれることは “under-the-table でやりなさい” ということです. これが会社の古き良き伝統というか,under-the-table からはじめて成功すると,そのことがほこりになったものです. また,under-the-table のプロジェクトに対して,公然とではないとしても,ある程度は会社の資源をつかってよいということが暗黙の了解になっていたとおもいます. 最近 Google が社員は自分がすきな仕事に 20% の資源をつかってよいと,ほこらしげにいっているようですが,なにをいまさらという気がします.

しかし,under-the-table がよい戦略だったのはもはや過去のことだとおもわれます. 一生おなじ会社につとめるなら,タダでも会社のためにはたらくほうが,成果が会社にみとめられたときには自分の利益につながるでしょう. でも,転職が容易になり,M & A で製品や技術が会社ごと売買される時代に,会社の “机の下” で仕事をする必要はないでしょう. 会社の “机の下” で仕事をしても,他社なら買ってくれる仕事でもひのめをみない可能性がたかいのです. また,under-the-table でした仕事は,カネをもらっていないにもかかわらず会社のものになってしまいます.

しかも,セキュリティなどの問題のために会社の情報管理がきびしくなってきて,仕事をもちかえってやることが以前よりむずかしくなりました. Under-the-table の仕事でも自由に社外にもちだすことがむずかしくなっています. また,社内で under-the-table の仕事をしているときに社外の情報にアクセスしようとしても困難なばあいもでてきます.

会社からカネをもらっていないのですから,すきなようにやればよい. 会社でうまくやれないことは,会社のパラダイムにしたがわずにやったほうがうまくいく可能性があるかもしれないのです. たとえば,会社で proprietary なプログラムを開発するより,オープンソースでやったほうが成功する可能性がたかいかもしれません. むかしは会社の資源をつかわないとやりにくかったことも,いまならパソコンは家にもあるしインターネットには会社より自由につなげます. そうやって会社と独立に開発した技術は会社と独立にビジネスにつなげることもできますが,会社に売るという可能性もあります. Under-the-table より会社に利益になるかもしれません. というわけで,under-the-table から open-air へ,パラダイム・シフトをはかるべきではないかと私はかんがえています.

関連項目 (2008-11-15 追記):

キーワード: Under-the-table, アンダー・ザ・テーブル, 机の下, セキュリティ, 情報管理, オープンソース, パラダイム・シフト, パラダイムシフト

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