「皮と合成皮革」 にも書きましたが,仕事のためのバッグにはかなりのこだわりがあります.
いまつかっているのはこの写真のバッグです. おおきさは A4 サイズの書類がらくらくはいる B4 サイズ,表面は合成皮革であり,その内側に強度を増すために厚紙がはいっています. もう,たしか 5 年以上つかっています. また,さらに 20 年以上にわたって,このバッグとほぼおなじかたちのバッグをつかいつづけています. もち手のちかくにあるプラスティック板には “Mountain”, “TRY” と書いてあるようにみえますが,製造者がだれなのかはわからなくなってしまいました. おもさをはかってみたところ,1.5 kg ありました. 買ったのは御徒町のちかくのカバン屋です. 値段は正確にはおぼえていませんが,5000 円くらいだったと記憶しています. 新宿からはじめて,何ヶ所かさがして,さらに上野から御徒町までさがしあるいて,やっとみつけたものです. このかたちのバッグの人気のなさを象徴しています.
なぜこのかたちでなければならないのか? それはまず,電車のなかなどで,立ったまま本や A4 サイズの論文,雑誌などをとりだすことができる必要があるからです. もち手が 2 つ (両側に) ついているので,バッグを片手であけて持ったまま,もう片方の手でだしいれすることができます. もち手がひとつだと,こうはいきません. もち手が 2 つでも,おもいものをいれると指にくいこむバッグもすくなくありません.
また,表紙のついていない論文などをいれるので,それがまもれるだけのつよさがなければなりません. うすいナイロンなどでできたバッグでは,内容物を保護するのに十分ではありません. アタッシュ・ケースのほうが内容物の保護という点では完璧ですが,それではだしいれが困難です.
さらに,ときによってはかなりの量の本やコピーをつめこむので,柔軟性がなければなりません. この点でアタッシュ・ケースは致命的です. 荷物がおおいときには,しまらなくなってしまいます. 現在のバッグでは,あつさ 10 cm 以上の紙をつめこむことができます.
このタイプのバッグをつかいつづけてきましたが,現在のバッグが一番ながもちしました. これまでに買ったものはだいたい 3 年くらいですっかりかたちがくずれて,自立しなくなってしまいました. それに対して現在のバッグは 5 年以上たっても,ややくたびれてはいますが,かたちはそれほどくずれていません. とはいっても,実はもち手の部分はすでにきれてしまっています. 写真からわかるように,自分でそこを手なおししてつかっています. 以前つかっていたバッグのおおくも,交換せざるをえなくなったのは,もち手がこわれたからであるばあいがおおかったのです. 今度バッグを買ったら,あらかじめ,もち手を補強しておこうとかんがえています. 現在のバッグに関しても,もち手の部分はもう限界がちかづいているので,楽天でさがしてみました. すると,すくなくとも 2 つの店で類似のバッグをあつかっていることがわかりました. とはいっても,現在のバッグほど,じょうぶそうにはみえません.
電子情報を印刷せずに処理することがおおくなりましたが,私はいまでも,しばしば多量のコピーや本をもちあるいています. この習慣がかわることはたぶんないでしょう. そうであるかぎりは,バッグについても,いまとおなじかたちのものをもちつづけるのではないかとおもいます.
追記
このはなしの後日談を 「あたらしいビジネスバッグ」 に書きました.