Wikipedia の 「景観」 の項に,景観は客観的であり風景は主観的だということが書かれていることについては 「「景観」 ということばのイメージ」 という項目で書きました. ところが,これとは反対にちかいことを 田村 明 が書いていることがわかりました.
田村は 「美しい都市景観をつくるアーバンデザイン」 という本のなかで,「風景」 のほうが自然を中心としているので客観性がたかいということを書いています. この本においても 「風景」 のほうが心情的だということをみとめながらも,「景観とは,人間が地表のあるまとまった地域をトータルに捉えた認識像である」 と書き,その概念的なひろさゆえに客観的にとらえにくいものとかんがえているようです.
私からみれば,「景観」 のほうが概念的にひろいといっても,その構成要素は 「風景」 にくらべれば客観化しやすいようにおもえます. したがって,「風景」 よりは分析しやすく,客観的にとらえられるようにおもえます. しかし,こういう見方もあるのだということがわかりました.