「“大阪みやげ” の古き良き八つ橋」 という項目で,最近は抹茶をいれたりジャムをいれたり,邪道な八ッ橋がおおいということをなげきました. おなじことが,ピザやフライド・チキンや,ほかの食品についてもいえます. オリジナルな味をもっとだいじにしたいとおもいます.
ピザについていえば,チーズにパジルなどの香草だけをのせたもの (マルゲリータなど),サラミなどのソーセージをのせたものなど,日本で宅配ピザがはじまったころには 「オリジナル」 な味のものが大半でした. ところが,最近はツナマヨだのテリヤキだの,ピザとはおもえないようなメニューが大半をしめるようになりました.
毎日ピザをたべるのであれば,オリジナルな味だけではあきるでしょうから,こういうものもよいかもしれません. しかし,すくなくとも私はたまにしかピザをたべないので,たべるときには,もっとふつうのピサのほうがよいとおもいます. オリジナルなものには,なぜそういうくみあわせになったのか,それなりの理由があるはずです. それをこわして,オリジナルをうわまわるものがでてくる可能性はすくないとおもうのです.
フライドチキンに関しても,最近はいろいろ,かわりだねがでてきています. あたらしいメニューにはオリジナルより保存性がよいというような利点もあるようにおもいます. しかし,ケンタッキー・フライドチキンに関していえば,いまでも創業者のカーネル・サンダースの絵や像をつかっているのには,それだけの意味があるとおもうのです. カーネル・サンダースがいろいろくふうしてつくった味,それをだいじにしようということです. それは売り手だけでなく買い手にもそうするべき理由があるのだとおもいます.
ちょっと味をかえて差別化して売ると,たしかに短期的には他より売れるようになる. しかし,もっとながい目でみると,うしなうものもある. もしかすると,うしなうもののほうがおおきいのではないでしょうか?
私は菓子屋でもファスト・フード屋でもないので,いまのところは売り手の立場にたつ必要はありません. しかし,ひとりの買い手としては,オリジナルな味にこだわりたいとおもっています.