最近,来年度予算をきめるにあたって,政府の各機関がパブリック・コメントを募集していた. そのなかに総務省の 「光の道」 にかかわる予算があった. これに対して私は否定的な意見を書いたが,その時点ではまだかならずしも,かんがえが明確になっていなかった. その後 「光の道」 に関する本を 2 冊読んで,現状ではそこに税金をつかうべきでないというかんがえはパブリック・コメントに書いたのとかわっていないが,より明確なかんがえをもつようになった.
パブリック・コメントの資料では,医療クラウドや他の分野で 「光の道」 つまり,だれもが廉価にアクセスできる光のネットワークの重要性がのべられていた. しかし,なぜそれを税金をつかってやる必要があるのか,また税金でどこまでやるのかが明確になっていなかった. そこで私は 「光の道」 は必要だが,そこには民間のちからをうまくつかうべきであり,税金をつかうべきでないとう内容の意見を書いた. しかし,いっさい税金をつかうべきでないのか,つかうべき部分があるのかということについては,かんがえていなかった.
その後,「「光の道」 革命 ― 光ファイバーとクラウドで描く日本再生のシナリオ」 と 「決闘 ネット 「光の道」 革命」 という 2 冊の本を読んだ. それによって,孫 正義 が,つまりはソフトバンクが税金をいっさいつかわずに 「光の道」 をつくることを提唱しているのを知った.
孫はもちろん税金をつかわずにできる根拠をのべているのだが,それがどこまで実現可能なのかは私にはよくわからない. 私自身は 「光の道」 をつくるのに税金を 1 円もつかってはいけないとまでは (いまは) かんがえていない. 多少の税金をつかうことによってうまくいくようになるのであれば,それもありだとかんがえている.
それでは先日のパブリック・コメントでは適切でない意見を書いてしまったのか? そうではないとおもう. つまり,最初に書いたようにこの施策ではなにに税金をつかうべきで,どこは民間がやればよいのかということが明確になっていない. こういう状態で税金をつぎこむとむだガネを発生させてしまう. だから,いまはそこに税金をつかうべきでない. そこまで明確に意見を書くことはできなかったが,基本的にはパブリック・コメントに書いたことはただしかったとおもっている.
関連項目: