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社会・経済:災害・地震

3.11 に会社にとどまらず帰宅した理由

東日本大震災の日,家にかえりつくまでのようすは 「大地震の日,戸塚から東京への徒歩での帰宅」 に書いた. しかし,そこに書かなかったこともある. その日,なぜ会社にとどまらずに家にかえったかというのも,そのひとつだ. おもいだせるうちに,書いておくことにしよう.

その日,会社にのこるか家にかえるかという選択肢があった. 家にかえるほうをえらんだ理由はいくつかある.

第 1 の理由は,その日が金曜日だったことだ. 翌日が出勤日であれば,戸塚から東京までかえって,また戸塚にでてくるのは無駄だ. 通常なら 1 時間半くらいでかえれるが,すくなくとも横浜まではあるかなければならないだろうから,ずっと時間がかかる. それよりは,会社にのこったほうがよいだろう. しかし,金曜日だったから,翌日までいたとしても,結局は家にかえらなければならない.

第 2 の理由は,東京や横浜ではそれほど震度がたかくなかったから,帰宅中に火災にあう可能性はすくないだろうとかんがえたことだ. 震度 7 くらいになると火災が発生して,道路がとおれなくなっている可能性がある. そこにちかづくのは危険だ. しかし,震度 5 強だったから,そういう危険はないだろうとかんがえた.

第 3 の理由は,会社にとどまっても非常用の食料もないし寝る場所や設備もないということだ. ふだん勤務している建物からは,追い出されてしまった. 安全が確認されていないという理由だ. 安全が確認されている建物はすくなくて,全員がとどまることはできないだろう. しかも,横になることはできない.

その日が金曜日でなければ第 1 の理由はないから,帰宅しなかっただろう. また,地震がもっとつよくて火災の発生がつたえられれば,帰宅するのは危険だと判断して,会社にとどまっただろう. さらに,会社が非常食と全員の仮眠の場所を用意していれば,とどまるという選択肢もあったかもしれない. しかし,3 つともみたされず,まようことなく帰宅するみちを選択した.

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