横浜トリエンナーレ 2011 をみてきた. 横浜トリエンナーレ 2008 についてはこのブログで比較的こまかく書いてきたが,今回は前回より印象がうすかったので,もっとかんたんに書くことにする.
会場は横浜美術館と日本郵船倉庫などにわかれていた. 会場が 11:00 からというので,そのまえに最近できたカップヌードル・ミュージアムなどをみてこようとかんがえた. はげしい風と雨のなかを 10:00 まえにカップヌードル・ミュージアムにむかうと,かなりの列ができていた. これだけひとがいると短時間ではみられないとかんがえて,そこにはいるのはあきらめた.
そこで赤レンガ倉庫にいってみると,そこにはビアガーデンができていて,1 杯 800 〜 1000 円という高価なビールを売ろうとしていた. このときはまだ開場していなかったが,あとでもう一度とおりかかると,数 100 ある席がほとんどうまっていた. 赤レンガ倉庫のなかの店はまだほとんどしまっていた. 一部の店はすでにあいていたが,ここも基本は 11:00 からだ.
赤レンガ倉庫のそばに海上保安庁の施設があるが,その一部として工作船展示館というのがある. 北朝鮮の工作船 2 槽を展示している. あまり詳細にみるつもりはないが,どんなものか,ひとまわりしてみた. 船そのものはもう,ぼろぼろになっているが,装備品はケースにいれて展示されている.
そこから日本郵船倉庫の会場にいったが,まだ開場まで 20 分ほどあった. 受付はすこしはやめにはじまることを期待していたのだが,それも 11:00 すぎてから,ようやくはじまった. 作品数のわりに,スタッフの数が多い. 常に監視されているようで,あまり気分がよいものではない.
彫刻風の静的な作品と映像作品とがある. 静的な作品はみてすぐに全貌がわかるが,私もふくむほとんどのひとは映像作品を一部だけみて,とおりすぎていってしまう. ほとんどの作品はそれでは意図がうまくつたわらない.
おおくの彫刻作品は,観客がさわらないことを前提にしている. しかし,一部の作品はさわって,うごかしてみることを期待している. アルファベットを書いた木片や卵を手にとってみることを期待した作品もあったが,そういう意図が観客につたわっていない. さわらないことをもとめる作品が多いなかでは,うごかすべきことをアフォードするなにかがなければ,観客にうまく反応してもらうことはむずかしいだろう.
トリエンナーレと連携したもよおしのひとつとして,新港ピアにある 「新・港村」 における BankARTLifeIII がある. ここはそもそも常時開放されているようなのだが,トリエンナーレを機におとずれてほしいということだ. いろいろな 「アーティスト」 がここで常時,活動している. 芸術作品の制作だけでなく,実用をめざした工作や,そこにいるひとたちの生活をささえるような活動もおこなわれているという. トリエンナーレそのものより,むしろここのほうが興味をひかれた.
横浜美術館は,建物はそれなりによくできているが,展示スペースは比較的せまいうえに,あまり見るべき作品がないという印象をうけた. 彫刻中心のトリエンナーレの作品にまざって常設展示作品もあり,両者が調和しているところはよいが,どちらに関しても印象的なものはすくなかった.
日本郵船倉庫より観客数は多い. それでいて,望遠鏡のように少数のひとしかみられないしかけをつかった作品が多い. 列にならぶ気がしないので,そういう作品はみなかった. 比較的印象にのこったのは,建設現場のように鉄パイプをくみたてたなかにオルガンのパイプをまぜて,オルゴールのようにして演奏しているものだ. ならぶ必要がある作品はとばしたため,予想したよりはやくみおわった. 日本郵船倉庫のほうはそれなりの満足感があったが,横浜美術館のほうは不毛という印象がのこった.