スカイツリーがあるけしき (浅草,業平橋,親水公園の散歩 1)
4 月 29 日に東京駅からスカイツリー方面までの散歩をこころみたが,スカイツリーにははるかにいきつかなかった. そこで,あらためて 5 月 1 日にスカイツリー方面に散歩した. 最初は 29 日のおわりにおとずれた清澄庭園から再開することをかんがえていたが,そのちかくのギャラリーが 12 時からだというので,ルートを逆転させて浅草から出発した.
4 月 29 日に東京駅からスカイツリー方面までの散歩をこころみたが,スカイツリーにははるかにいきつかなかった. そこで,あらためて 5 月 1 日にスカイツリー方面に散歩した. 最初は 29 日のおわりにおとずれた清澄庭園から再開することをかんがえていたが,そのちかくのギャラリーが 12 時からだというので,ルートを逆転させて浅草から出発した.
浅草,業平橋,親水公園の散歩で,最初は浅草近辺をあるいた. 浅草寺は何回かみているから,今回はその周辺,とくに北側をみた.
「著者」 の 6 人との対話にもとづいている. 6 人のなかには民主党,自民党,みんなの党の政治家もふくまれている. それぞれ立場がことなる政治家との対話をいわば無難にこなしているが,対立点はどこへいってしまったのだろうか? 「著者」 のかんがえはいったいどこにあるのだろう.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 3.11後@ , 3.11後@Amazon.co.jp.
浅草,業平橋,親水公園の散歩で,新吉原 (現在の地名では千束) あたりをあるいた. 交差点のなまえにも吉原大門というのがあるが,吉原らしいものをみつけるには,もうすこし事前調査が必要なようだ.
浅草,業平橋,親水公園の散歩で,浅草・千束からスカイツリーがある業平橋方面をめざした. スカイツリーをのぞけば,みどころは待乳山聖天と隅田公園,牛嶋神社だ.
浅草,業平橋,親水公園の散歩で,スカイツリーからすぐそばの大横川親水公園にいった. ほとんどひとはいないが,変化に富んでいて,いい公園だ. その後,美術館とギャラリーにいったが,なかは見ずにおわった.
TPP の議論の際などに常にいわれることは 「日本の国益」 である. それを議論するのはもちろんまちがっていないが,現代は,世界経済・政治などをかんがえるときに日本だけのことをかんがえても,もはやうまくいく時代ではない.
朝から夕方まで散歩してきたあと,それをブログにまとめるとつぎの 1 日がすっかりつぶれてしまう. いきなれた場所の散歩ならもっとすくない時間でまとめられるだろうが,東京でもいったことのない場所はたくさんあるので,せっかく 1 日かけるなら,まだいったことのない場所にしたいとおもう. その結果,書くのに時間がかかってしまう.
1 年間つかうための保存版としてはよくできているといってよいだろう. しかし,これをかかえて散歩して,ひどいめにあった. 東京都現代美術館がしまっていたのだ. 通常は月曜だけがやすみなので,それをはずしていったのだが,5 月にかぎって 1 日がやすみだったのだ. 保存版としてはそれが書いてなくてもよいのだろうが,5 月号なのだから,5 月のやすみくらいは書いておいてほしかった.
評価: ★★★☆☆
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ファイリングというと通常は情報のあつかいが中心だが,ここではむしろモノをどうやって整理し検索するかがテーマになっている. 私にとっても学生のころは 「物質ファイリング」 がひとつのテーマだったが,いまでは情報のことばかりかんがえているのは退化なのではないかと,かんがえさせられた. ただ,この本では展示会のための製作物をあつかっているために整理・検索という本来は動的なはずのものが静的にだけあつかわれている点にいささか不満がある.
評価: ★★★☆☆
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80 種類ほどの 20 世紀の家具やくるまや日用品などのデザインをあつかっている. 家具のなかではイスがおおい. 電気製品としてはラジオやテレビ,ウォークマンなどがとりあげられている. 日本発のものとしてはソニーのポータブル・テレビとウォークマン,それにたまごっちだけだ. いささか,さびしい. 80 種類くらいだと,重要なものがまだまだ,こぼれおちてしまう.
評価: ★★★☆☆
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東京の散歩に関する本が多数,出版されている. 私もまえからまちあるきがすきで,東京もあるきたいとかんがえてきたから,その種の本もだいぶ買いあつめた. 両国付近の散歩の前後にそれをみてみると,趣味にあうもの,あわないものがあることがみえてくる.
現在の日本の健康保険では,健康なひとも病気にかかっているひとも,おなじ保険料をはらうようになっている. 民間の保険ではかんがえられない制度だ. 保険料には差をつけるべきだろう. また,健康を維持・増進しようとしているひとも,健康を害する行為をしているひとも,おなじ保険料をはらうのは不適切ではないだろうか. 健康保険を破綻させないためには,これも改善が必要だろう.
著者は 「図解する思考法」 をはじめ,この種の本をすでに何冊も書いている. それらより最近に書かれたこの本はより明晰に整理されていて,実践的だとかんがえられる. 図でかんがえるひとと文章でかんがえるひとのちがいも書かれていて,読者が自分の思考を再考するうえでやくにたつだろう.
紹介されている方法は紙をつかった伝統的なものだ. まだパソコンが図解にはつかいにくいことを反映しているのだうが,そこが文章派である私からみると弱点だとおもえる. 文章による思考はワープロやアウトライン・ツールで強力にサポートされているからだ.
評価: ★★★★☆
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著者によれば 9 割の病気は医者にかからず自分でなおせる 「ウソの病気」 だという. いまの医療制度ではホントの病気もウソの病気もおなじようにあつかっているから,いろいろの問題が発生するという. 100% 賛成できるわけではないが,おおくのひとが同意できる部分があるのではないだろうか.
制度改革は個人ではできないが,個人でできることもいろいろ書いてある. ウソの病気をみわけて自分でなおすこと,自分でなおすために必要な自己治癒力の強化のしかた,医者のいいなりになって不健康になることがあること,病気にならないためにストレスをなくすことなどだ. 自分の健康と医療制度の問題を理解するのにやくだつ本だ.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 9割の病気は病気ではない@ , 9割の病気は病気ではない@Amazon.co.jp.
機械的に合成された絵をひとにみせて 「かわいい」 かどうかなどを質問するという方法でえられた結果から,デザインに関する科学的知識をえようとしている. それはたしかに研究としてはおもしろいのだが,それとデザインとのあいだにはあまりにもおおきなギャップがある. このタイトルでこの内容というのは納得がいかない.
評価: ★★☆☆☆
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親世代にはデジタルツールを買ってあげるだけではつかいこなせないが,iPad などのつかいかたをおしえてあげればつかえるようになり,親孝行になるというわけだ. しかし,普通はなかなかこの本に書いてあるようにはいかないのではないかとおもえる. iPad ではジェスチャーが誤認識されることがすくなくない. そういうとき,どうしてよいかわからなくなる. 歩数計のような特定用途のツールでも,おもうようにはうごかず,つかいこなすのはかならずしも容易でない. だから,この本を読んでもやっぱり,どうしたらよいかわからない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 最高の親孝行@ , 最高の親孝行@Amazon.co.jp.
うすい本のなかで,国民健康保険の制度,現状,課題などをまとめている. しかし,制度はともかくとして,現状や課題の把握はよわい. たとえば,保険料不払いの問題に関しては 市町村国保担当者に取材して,そのいいぶんである 「2 割は悪質な保険料滞納者」 ということをそのまま書いているが,不公平感など,そこにある問題にふれないまま 「悪質」 と書くのはいかがなものか. 課題の解決は容易であるかのように書いているが,年金と同様に積み立てられた保険料の目減り問題もあるだろうし (時事通信社の健康保険組合での問題が顕在化しているが,他にもたぶんあるだろう),さまざまな問題がこの本ではあつかわれないままになっている.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 国民健康保険@ , 国民健康保険@Amazon.co.jp.
「医療保険」 がタイトルにふくまれる本のおおくは民間保険だけをあつかっている. そのなかで,この本は公的な保険と民間保険をあわせてあつかっている. しかし,これで 「なんでも」 わかるのかというと,全然そうではない. 保険にはいるかどうか,あるいは健康保険についてかんがえるときでも,それにほんとうに利点があるのかどうかをかんがえる必要があるだろう. 健康保険がかかえる問題点や,民間保険にはいる場合とはいらない場合との比較などが書かれていなければ 「なんでも」 わかるとはいえないだろう.
評価: ★★★☆☆
年金に関しては,AIJ 投資顧問をはじめとして,運用ででた損失のあつかいが話題になっている. AIJ は極端な例だが,そうでなくてもリーマンショックなどですくなからぬ損失がでている. それでは,健康保険はどうなのだろうか?
このブログのレイアウトをすこしだけ,かえた. ほんとうは最新の Movable Type にかえて,それと同時にレイアウトもかえたいのだが,それはてまがかかるので実現していない. レイアウトをかえたきっかけは,iPhone 4 でこのブログの写真のはいったページをみたことだ. 写真が 2 枚ならぶようにレイアウトしているつもりなのだが,iPhone では 1 枚だけになってしまう. そこで,すこしだけカラムの幅をかえたのだ.
文学の専門家は文学の目でものをみるし,政治や経済の専門家はそういう目でものをみる. しかし,専門家でない吉本はそういう固定的なみかたにしばられずに文学から政治,経済,歴史その他すべてをみている. これは容易なことではないだろう. この本では自己幻想,対幻想,共同幻想という 3 つの概念を軸として,かつ遠野物語と古事記からとった題材を論じている.
とはいうものの,論理はあらけずりであり,理由もわからず断定的に書かれているところもある. 吉本の本をいろいろ読んでいれば彼がかんがえそうなことがわかるのだろうが,初心者にはなかなかついていけない. くりかえし読むというひともいるが,むしろ吉本の本をいろいろ読んでみるのがよいのではないだろうか.
評価: ★★★★☆
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Amazon.com で Takaaki Yoshimoto を検索してみると,すくなからぬ数の本がでてくる. ところが,そのほとんどは日本語の本だ. 英訳された (そして現在も買うことができる) 吉本の本はほとんどないということだ. 日本ではこれだけ有名なひとの本がなぜ英訳されていないのだろうか.
一見,平易にみえる文章だが,重要なところは難解で私にはとても歯がたたない. 資本論もほとんどかじったことがないまま読むような本ではないのだろう. だから,星などつけられる状態ではないのだが…
解説の中沢新一はそれを平易だと書き,現実的なもの,幻想的なもの,象徴的なものからなる 「三位一体」 論を論じているが,これがはたして解説になっているのだろうか. しかし,これまで群盲象をなでていたさまざまなマルクス論とはちがって,もっとマルクスの全体像をとらえようとしているということは,いえるのだろう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: カール・マルクス@ , カール・マルクス@Amazon.co.jp.
冒頭で 「数 10 人診ると 1 日に同じ説明を繰り返すことは日常茶飯事」 と書いている. 患者が本を読んでその内容をあらかじめ理解していれば,説明しなくてもよいということだろう. しかし,そもそも医者にかからなくてすむ患者がへらせるかどうかが問題なのではないだろうか.
よくある 9 割の病気のなかでも医者にかからなくてよいものと,かかる必要があるものとがあるはずだが,それはこの本のなかであまりくべつされていない. それなら,家庭医学事典のほうがやくにたつだろう. やってきた患者に対しては,1 日に何度くりかえそうとも,ていねいに説明する必要があるだろう. だから,よくある病気についてよくまとめられた本だとはおもうが,効果には疑問がある.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 9割がよくある病気@ , 9割がよくある病気@Amazon.co.jp.
コンピュータ言語やその理論,とくに再帰を記号論的な見方で分析している. 記号論と人工言語とをむすびつけるそのやりかたは斬新だ. これら両方の分野に精通した人は非常にわずかだとかんがえられるから,どちらの分野のひとにとっても,この内容は新鮮だろう.
しかし,一応は両方を知っている立場からすると,このむすびつけかたはいささか強引だとおもえる. 記号論の対象は人間の言語や記号であり,記号の概念も解釈も人間のものだ. ところが,著者がそれをコンピュータ言語にあてはめるとき,そこには基本的に人間はいない. 機械が解釈するものとしてのコンピュータ言語と人間の言語の記号論を対応させるのには違和感がある. また,いまさら記号論なのかという気がしないでもない.
コンピュータ言語も人間が書くものだから,記号論や言語学の手法をとりいれるのにもっとべつの視点もある. 著者もところどころアドホックに人間の視点をいれてはいる. しかし,それをもっとすすめた議論は実は存在している. 金田 泰 著 「プログラミング言語学をめざして」がそれなのだが,(Web にはアップされているが) 残念ながら手書きの修士論文でおわっているためほとんど知られていないし,議論は浅い.
いずれにしても,この本はいくつかの賞をとり,英語でも出版されている. 著者あるいはこれらの本を読んだだれかが (私もふくめて) これをきっかけとして,さらにすすんだ議論や周辺の話題をほりおこしてくれればよいとおもう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: 記号と再帰@ , 記号と再帰@Amazon.co.jp, 記号と再帰@GoogleBooks.
アマゾン (Amazon.co.jp) とともに ビーケーワン (BK1) というネット書店をずっと利用してきた. このサイトが honto というサイトに吸収された. リアルにせよネット (バーチャル) にせよ,サービスが統合・淘汰されていくのはしかたがない. しかし,それによって “退化” つまりいままでつかえていたサービスの一部がつかえなくなったり,つかい勝手がわるくなったりするのはこまる.
BK1 というネット書店が honto に吸収されて,つかっていた機能がいくつかなくなったが,いままでになかった機能もある. そのひとつがこれまでに書いた書評の星数の分布だ. 正規分布とくらべると中央にかたよっているが,おもっていたよりはバランスしている.
これまで新刊書は BK1 のリストをみてきた. 過去 6 日ぶんはみることができる. ところが,BK1 が honto というサイトに吸収されて,新刊書リストがみられなくなった. そこで,しかたがないのでアマゾンで新刊書を検索してみるようにした. まだその方法は確立されていないが,とりあえず,きょうやってみた方法を書くことにする.
数年まえに Buffalo のやすい VLAN スイッチを買った. おもな目的は家においたサーバをインターネットにみせるのに,VLAN をわけて,できるだけ家庭内 LAN のセキュリティをたかめるためだ. しかし,ついでにもう 1 個 VLAN スイッチを買ったので,それであそんでみている. ところが,ことなる VLAN でおなじ MAC アドレスがあると学習できないようであり,おもっていたほどあそべないことがわかった.
Linux の promiscuos mode でパケットをつくって通信をこころみると,いろいろ予期しないトラブルがおこる. きょう経験したのは,ずっと一様にパケットを送信し,通過させているにもかかわらず,間欠的にパケットがとおらなくなるという問題だ.
著者は中国が中国医学を国際標準にしようとしていることをはじめ,漢方にせまるいくつかの危機を感じている. 危機といえば明治になって漢方が西洋医学のかげに追いやられてしまったことが一番の危機だったのだろうが,それでも西洋医学にとりいれられることでいきのびてきたことが書かれている. それが日本における漢方の特徴にもなっているが,弱体化されたことは否定できないだろう.
中国医学には漢方にない弱点があることもたしかだろうが,この本に引用されている文献が中国の 1800 年以上まえの文献であることからしても,中国には勝てないようにおもえる. 著者も 「東アジアの医療が世界に貢献すること」 がおおきな目的だと書いているが,中国や韓国と対立するよりは,協力するなかで日本の漢方の立ち位置を確立していくことが必要なのだろうとおもえる.
評価: ★★★☆☆
著者はこの本に 「記号学を超えて」 という比較的わかりやすいタイトルをつけておきながら,最後になってそれを 「確信に反対して」 にかえることを 「提案」 している. つまり,著者はこの本そのものを脱構築しようとしている (しかも最後までその過程にある). それがこの本を理解するのをむずかしくしているといえるだろう. しかし,記号学 (の先) にはそういう道しかのこされていないのだろう.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 記号学を超えて@ honto, 記号学を超えて@Amazon.co.jp.
インターネットで商品を海外に注文できるようになって,以前はかんたんで便利になったと感じていたものだ. しかし,最近はまったく状況がかわってしまった. 以前から Amazon.com などは本以外の商品を日本には売っていなかったが,日本に出荷するネットショップもすくなくなかった. ところが,最近,アメリカなどでは日本に直接販売するネットショップはわずかしかない. 個人輸入はむずかしく,かつコストがかかるものになってしまった.
コンピュータの基礎をつくった人物として有名なノイマンの本ということで,いまでも示唆をあたえてくれるのではないかと期待した. しかし,すくなくともこの本からは,えられるものは皆無といってよかった. しかも,こんなうすい文庫本が 1000 円以上ときている. 最悪だ.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 計算機と脳@Amazon.co.jp.
ひきこもる若者に対するメッセージという意味もあるのだろうが,そういう意味でのこの本に対する評価は私には書けない. しかし,「ひきこもり」 や学校やその他の 「常識」 に対する著者の懐疑は,読者をこれまでのとらわれから解放してくれるだろう.
たとえば,「ほとんどの親が間違えているのは,学校というところは勉強をするところだと信じているところです」というのもそのひとつだ. 学校はそんなに一生懸命,勉強できる場所ではないということは,もしかしたらわすれがちなことなのだろう. こどもが自殺するのは親に原因があるのではないかという議論も,すべてを学校におしつけることへの疑問であり,かんがえてみる必要があるだろう.
著者が書いていることが絶対の真実であるというようなことはない. しかし,ひとびとが真実だと信じていることをうたがわせ目をひらかせることに,この本 (だけではない著者の議論) の価値があるのだとおもう.
評価: ★★★★☆
関連リンク: ひきこもれ@Amazon.co.jp.
散歩に関する本,とくに東京の散歩に関する本は,とてもよみきれないくらい,ある. そのなかの 1 冊であるこの本,東京スカイツリーのブームにのった本ではあるのだが,その周辺で著者がおとずれているところにも,共感できるところがいろいろいある. スカイツリー周辺で散策するべき場所として,著者がえらんでいる浅草や新吉原は,私もえらんだ場所だ. 著者がえらんだ三ノ輪をその出発点としたかったが,スカイツリーからさきの散策の距離をかんがえて断念したのだった.
おなじ場所を散策するにしても,趣味によって,なにをみるか,どこをどのくらいの距離あるくかは,まったくちがってくる. その点でこの本が私の趣味にあっていることは,まちがいない.
評価: ★★★☆☆
関連リンク: 東京ディープ散歩@Amazon.co.jp.
70 歳をこえるころまで鉄のカーテンのむこうにいたバフチンはクリステヴァに発見され西側で知られるようになったという. 著者はロシア内に秘められていたバフチンの若い時代からたどっていく. そして,クリステヴァが注目した 「ポリフォニー」 の概念や,それを論じたドストエフスキー論をはじめとするバフチンの主要な議論を紹介している. 新書というかぎられたスペースのなかで,よく,バフチンそのひとからその思想まで,全体像をみせてくれている.
評価: ★★★★☆
関連リンク: バフチン@Amazon.co.jp.
Amazon.co.jp でみるかぎり,日本語に訳されたチェーザレ・セグレの本は 2 冊だけだ. 2 冊とも論文集だが,この本はボッカッチョなど,ふるい作家の文学をもとに展開された記号学的文献学の論文集であり,1979 年に出版されながら 2008 年にようやく和訳された. とりあげられた作品はあまりなじみのないものなので,読みこなすのはなかなか困難だろう. また,レオナルド・ダ・ビンチをあつかった章の訳出はもう 1 冊の訳本と重複しているという理由で省略されている. 私にはちょっと読みこなせなかった.
評価: ★★★☆☆
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TRC (図書館流通センター) から移行して以来,ながらくネットでの本の注文につかってきたサイト BK1 (ビーケーワン) が,honto というサイトに吸収された. それにともなって,これまで BK1 をつかってきた理由がうしなわれてしまった. 死んだ BK1 よ,さようなら.
MacBook Air のいいところは,パッとひらいてすぐにつかえることだった. ところが,最近,家でひらくと自宅の無線 LAN (WiFi) に自動でつながらないことがおおくなってしまった. これは不便だ.
アマゾンの古書はやすい. すくなくとも日本では,紙の本は新刊と古書とで,これほども値段に差がある. ところが,すくなくともいまは電子書籍には古書がない. 出版されてからどれだけ時間がたとうとも,新刊とおなじだ. すくなくとも私は,こんな本を買うよりは紙の古書を買うほうがよい. そのほうが (よほどいたんだり,ぎっしり書きこみがあったりするのでなければ,そのほうがよみやすい.
「図解」 ということばはクセモノだ. この本の場合は 「図表」 とも書いてあるが,実のところ,この本の内容は 90% 以上グラフだ. 単純なグラフのかきかたの本はほかにもいろいろあって,おおくの点は共通している. しかし,グラフにしてもさまざまなバリエーションがある. たとえばグラフをマトリクス状に多数ならべた表現法もある. しかし,最後にすこしだけ書かれているプロジェクト管理のための図をのぞけば,この本であつかわれているのは古典的な単純なグラフだけだ. これは私が知りたかったことではない.
評価: ★★★☆☆
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著者は,もともとは西洋医学をおさめた医師だが,現在では日本ではめずらしい,漢方とはちがう中国医学の専門医のようだ. 国立がんセンターに勤務していたこともあるということだが,西洋医学によるがんの治療には批判的なようだ. しかし,基本的には西洋医学と東洋医学とが共存していくのがよいとかんがえているようだ. この本には中国医学のたちばから,病気や健康に対するかんがえかたや,さまざまな症状に対する治療法がかかれている. エキスの抽出にこだわる漢方への疑問も書かれている. 現在,中国でおこなわれている医療との関係はわからないが,こういうひとが中国医学と西洋医学,そして漢方をつないでいけるとよいとおもう.
評価: ★★★☆☆
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「記号論と社会学」 というタイトルではあるが,内容の大半は記号論入門だ. 入門書としてはわかりやすいが,あまり新鮮さはない. 社会学のながれの一部としてレヴィ・ストロースがとりあげられているが,これは記号論に興味をもってきたひとにはおなじみのなまえだ. この本が出版されたのは 2004 年だが,内容は 1980 年代に話題になったことだ. それというのも,この本はもともと 1886 年に大学で発行されたものをもとにしているということがわかって納得した.
評価: ★★★☆☆
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